週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場は現状のレンジ下限価格を維持できるかが焦点となる。今回の急落は米国での熱帯低気圧「バリー」を過度に囃し過ぎた反動による側面が強い。米中貿易摩擦が解消しない限り、WTIで60ドル、ブレントで67ドル超えは本格的な中東の武力衝突でも起きない限り短命と見る。一方、今週イラン問題が緩和するとの期待が見られたが、イランによるタンカー拿捕や米海軍によるイラン無人機撃墜による対立再激化は下支え要因となった。また、月末のFOMCでは利下げが見込まれNYダウは堅調地合いを継続しそうで原油相場も大きく崩れる場面ではないと予想される。当面はWTIで55~60ドルのレンジ相場の動きを想定して逆張りで臨みたい。
 
NY原油チャート
 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。