ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引量は10~20トン。4月8日の価格はキロあたり61.30~61.34バーツ、RSS3号タイ主要港5月積価格は236.0~238.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、3月31日現在9,882トン(前旬比605トン増)。

 3月下旬の入出庫は入庫1,269トン、出庫664トン。

◆展開予想

 JPXゴムは大幅下落、週初から上値重く推移すると週末にかけて上海ゴムが先月末以来の14,000元割れ、上海主導の下げがJPXゴム売り圧力となり、先限は一時234.6円まで売り込まれた。背景には上海市場では“中国当局が投機抑制に動いている”との噂や半導体不足による自動車メーカーの減産の影響も指摘されるが詳細は判然としない。株式は米国中心に反発、FOMC議事録で利上げを急がない方針が改めて示されたことを好感、商品市場は材料に欠け概ね横ばい、ドル円は米金利低下もあり109.30円程度まで円高ドル安となっている。

 4月9日正午過ぎ現在RSS先限は235.9円前後、TSR先限は185.0円前後の取引。週の高値はRSS253.7/TSR187.0円、週の安値はRSS234.6円/TSR185.0円。

 現物市場は230.0円程度、週間取引はUSS・RSS3共にウィンタリングに伴い商いは閑散としている。今週は当先限で順鞘拡大の後5.0円程度まで縮小、流動性の高い先限売り物が集まった影響によるものだろう。

 国内市場は産地対比“割安”水準まで下落も国内在庫は再び増加傾向にありそれが相場の重石となっている。順鞘幅縮小、産地対比割安となれば押し目買い姿勢維持で良いと考えるが、今週の下落は上海主導であることから上海市場の下げ止まりを確認してからのエントリーでも遅くはないか。先限は230.0~255.0円を予想する。

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp