週刊石油展望

著者:三浦 良平
 先週末のWTI原油は前週比4.79ドル高の66.95ドル、ブレント原油は4.32ドル高の69.50ドルとなった。

 前週末の海外原油は、好調な米経済指標を受けて堅調に推移していたものの、連休を控えた利食いの動きから売りが入るとWTIはマイナスサイドまで沈む展開となった。

 週明けはメモリアル・デーで休場。休み明けの1日、OPECプラス会合で当初の計画通り増産することで合意したものの、米国で全人口の半数近くがワクチンの完全摂取を終えており、ドライブシーズンに入る中で旅行者が急増していることが支えとなり堅調な推移となった。2日は注目のOPECプラス会合が開催され、予定通り増産(減産枠の縮小)で合意したものの、米国でのドライブシーズン入りやコロナ禍からの経済回復により石油需要が供給を上回るとの思惑から堅調な推移となった。また、米金利の下落でドル安が進んだことも支えとなった。翌日も、引き続き需要回復への楽観的な見方は支えとなったものの、米経済指標の好調さから金利が上昇し、株安・ドル高進行したことが重しとなると往って来いの展開となった。また、米EIA統計では原油在庫は減少(予想:-240.9万B、結果:-507.9万B)していたものの、ガソリン在庫は予想外に増加(予想-183.6万B、結果:+149.9万B)していたことが嫌気された格好となった。



 WTIで69ドル台の後半まで値を伸ばしてきており、2018年10月以来となる70ドルが視野に入ってきた。材料としては、引き続き新型コロナウィルスの感染拡大懸念⇔ワクチン接種の進捗による経済活動正常化・需要増加期待という大きな綱引き状況が横たわってはいるものの、OPECプラスの協調減産の効果もあり、また米の生産量も大きくは増えてこない中で期待感が上回っている。イラン核合意に関しては、イランと英仏独露中がウィーンで次官級の会合を開いており、また米の復帰を巡る協議に関しても、両国の間でこれま複数の間接協議が行われたことが報じられており、織り込みつつあると考えられそうだ。従って、直近のドル高傾向は上値を抑えることとなり得るものの、相場は堅調を維持、高値圏での利食い売りは想定されるものの、押し目は買いが入りやすいだろう。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長代理として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。