第1回、ファンダメンタル分析とテクニカル分析

価格は何により動くのか?

1.需給等ファンダメンタルが変化することにより動く 2.内部要因に影響されて動く 3.人気や噂で動く ■「内部要因で動くというのはどういったケースですか。」 □例えば現在、一般投資家の買い持ちが多いとするとする。すると、いずれそこから売りが出てきて値段が下がるとか、そういったことが起こりやすい。それが内部要因じゃ。 ■「でも講師、一番影響するのはやはりファンダメンタルの変化ですね。そうするとテクニカル講座じゃなくて、ファンダメンタル講座をやった方が役にたつんじゃないですか?違いますか?」 □なかなか言うね。それは一理ある。ただね、ファンダメンタル分析で将来の価格動向を予想するのは一般投資家にとって大変困難なのだよ。 ■「何でですか?」 □例えば、経済指標で米国の雇用統計が改善されるとドルにとっては買い材料だよな。それでも雇用統計が改善されたにも関わらず、ドルが売られるというケースがよくある。何故だ? ■「何故でしょう?」 □発表前に雇用統計が改善されそうだという事前予想があり、その予想の分は既に現在の価格に織り込まれているということがよくあるのじゃよ。 ■「確かに、経済指標の事前予想はよく見かけますね。」 □だね。 つまり、ドルが買われるか売られるかは、雇用統計が改善されたかどうかではなくて、事前予想と比べてより改善されたのかどうかなのじゃよ。事前予想で大幅に改善が予想されていたら、少しの改善では逆に失望して売られてしまう。ところでムサシ君、事前予想より結果が改善されるかどうかなんて予想出来ると思うか? ■「予想通りになるかならないかを予想しろと?それは無茶です。」 □だろ。経済指標の事前予想などはいろいろなところで発表されていて明らかになっておるが、その他のファンダメンタルは、どのような事前予想があるのか、それがどの程度現在の価格に織り込まれているかがわからない。例えばギリシャ問題などで、ユーロが売られるというのは当たり前だが、現在のユーロがギリシャ問題をどの程度織り込んでいるかに関しては誰も正確にはわからない。 それと、例えば穀物の需給動向なんかだと、一般人がカーギル(米国穀物商社)以上に正確なデータを掴むなどということは無理じゃ。つまり、一般ピーポーは、誰でも知っている古びた情報を元に売買することになる。それがもうひとつのファンダメンタルの欠点じゃ。 ■「なるほどファンダメンタルという文字をよく見てみると、確かに真ん中に・・・・『ダメ』と書いてありますね。」 □それは・・・・関係ないぞ(汗;)