第44回、一目均衡表その15、「一目均衡表で最も重要と言われる遅行スパンを徹底解説、後編」

3、遅行スパンは価格線の代用品、ということは?

□一目使いの上級者は、遅行スパンは価格線の代用品ということを知っている。つまりもうひとつの価格線だ。 ■価格線の代用品?価格線ってのはロウソク足とかのことですね。 □そうだ。下の図ではわかりやすく、終値の折れ線グラフで表示してみた。 zu2 ■なるほど、ロウソク足を折れ線グラフにすると、遅行スパンがずらしただけのものということがわかりやすいですね。 □終値を25日前にずらしたというのが遅行スパン。つまり25日前に描いた価格線だ。 ■それはわかりますが・・・・それがどうしました? □先行スパン1を説明するときにも話をしたが一目均衡表の各線の計算式は二通りの説明が出来る。 ■えっ? □通常の計算式は以下のとおり。
転換線=9日間の高値と安値の半値 基準線=26日間の高値と安値の半値 先行スパン1=転換線と基準線の半値を25日将来に描画 先行スパン2=52日間の高値と安値の半値を25日将来に描画 ※ここではあえて「25日将来」と書いたが、もちろん「当日を含めて26日将来」と同意。
□これを、遅行スパンを基準に考えると
転換線=9日間の高値と安値の半値を25日将来に描画 基準線=26日間の高値と安値の半値を25日将来に描画 先行スパン1=転換線と基準線の半値を50日将来に描画 先行スパン2=52日間の高値と安値の半値を50日将来に描画
□となる。 ■確かに、遅行スパンをずらしてない価格線と考えるとそうなりますね。 □ま、ここら辺は上級編になるから、入門者は飛ばしてもらっていい。興味のある人だけ読んでくれ。 ■そんな言い方しなくても(汗;)。 □遅行スパンは、価格線との比較をするだけでは物足りない。 ■え?どういう意味ですか? □「遅行スパンと転換線」、「遅行スパンと基準線」、「遅行スパンと先行スパン2」の関係にも要注目だ。 ■なるほど、深いですね。 □転換線は短期(9日間)の相場水準、基準線は中期(26日間)の相場水準、先行スパン2は長期(52日間)の相場水準を示していると勉強してきた。 ■はい、勉強しました。 □すると遅行スパンと各線の関係は
遅行スパンと転換線の関係 ・・・現在の価格と25日前の短期の相場水準とを比較している。 遅行スパンと基準線の関係 ・・・現在の価格と25日前の中期の相場水準を比較している。 遅行スパンと先行スパン2の関係 ・・・現在の価格と50日前の長期の相場水準を比較している。
□わかるかな? ■わかりません。難しいです。なんのために比較するんですか? □相場水準とはその期間の相場の中心。そして上昇トレンドとは相場水準がどんどん切り上がっていく状態、下降トレンドとは相場水準がどんどん切り下がっている状態。ここまでは勉強してきたぞ。 ■覚えてます。 □ということは過去の相場水準と現在の価格を比較すれば現在どういうトレンドかがわかる。 ■つまり、例えば、転換線と遅行スパンを比較して、遅行スパンの方が上にあれば、短期の相場水準が切り上がっているということで、短期トレンドが上昇中とわかる。基準線と遅行スパンを比較して、遅行スパンの方が上にあれば、中期トレンドが上昇中とわかる、というような。