第5回、移動平均線 その1、『 移動平均線の役割 』

□さて、テクニカル分析の代表選手と言ったが、株価や商品のチャートを見ると、ろうそく足の上に必ずといっていいほど移動平均線が付加されているのに気がつくだろう。移動平均線がないと寂しいくらいだ。

■「ですね。」

□この移動平均線には種類がたくさんあるが、まずは3つ覚えておいてほしい。
単純移動平均線、加重移動平均線、指数平滑移動平均線じゃ。SMA WMA EMA などとアルファベットで呼ばれることもある。一番有名なのはもちろんSMA、単純移動平均線じゃ。

【主な移動平均】 ☆単純移動平均・・・SMA ☆加重移動平均・・・WMA ☆指数平滑移動平均・・・EMA
■「日本では特にSMAが凄い人気ですね。」 □そうか? ■「テレビ番組でも『SMA×SMA』とか、『SMAステーション』とか、その他『ぷっSMA』『金SMA』『裏SMA』なんてのもあったりして。 □それはスマップ。SMAはシンプル・ムービング・アベレージ。ムサシ君流に言うとシンプルにアベレージ(平均値)をムービング(移動)させたものだ。 ■「実にわかりやすい説明ですね。するとSMAPはシンプル・ムービング・アベレージ・パーソンの略だったりするわけですね。日本流に言うと、単純移動平均線男。」 □全然関係ないから。スマップは忘れろ。 □とりあえずは単純移動平均線から話を進める。日本ではこれが一番有名だが、海外では指数平滑移動平均線(EMA)方もよく使われる。WMA・EMAに関しては別の回に詳しく説明する。 さて、単純移動平均線の計算式は (直近の終値+1本前の終値+2本前の終値・・・+(N-1)本目の終値)÷N だ。 例えば5日移動平均線だったら、 (本日の終値+昨日の終値+2日前の終値+3日前の終値+4日前の終値)÷5 となる。 上記で1本とか2本とか言ったのは例えば5分足や1時間足で分析することもあるので、そのろうそく足1本分のこと。
【N本移動平均線計算式】 (直近の終値+1本前の終値+2本前の終値・・・+(N-1)本目の終値)÷N
□これからこの講座でいろいろなテクニカル指標を勉強していくが、まず心構えを話しておく。テクニカル指標をマスターするためには、必ずそのテクニカルの計算式を理解しておかなくてはいけない!
鉄則、テクニカル指標の計算式は必ず理解すべし。
よく、テクニカル分析を解説した本やホームページで、申し訳程度に計算式を載せて、「この計算式は難しいので覚える必要はありません。使い方だけ覚えればいいです。」などと書いているがそれは間違い。大間違い!