FOMC前に模様眺め気分も強い中、ドルは買い戻し優勢に=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場、明日のFOMCの結果発表を前に模様眺め気分も強い中、ドルはNY時間に入って買い戻しが優勢になっている。前日とは逆にロンドン時間まではドル売りが優勢となっていた。

 明日のFOMCを受けてドル売りが強まるのではとの警戒感も出ている。しかし、NY時間に入って米国債利回りもプラスに転じていることや、米株も底堅く推移していることから、ドルは買い戻されている。

 朝方のドル円は111円台前半まで下落していたものの、111円台後半まで一時買い戻される展開。100日線が111円台前半に来ているが、その水準は堅持しており、21日線も上向きに転じていることから、リバウンド相場への期待感を高めている。

 ハリケーンや北朝鮮問題がひとまず落ち着きを示しており、市場のリスク許容度も改善している。そなると各国中銀と日銀との金融政策のギャップに焦点があたり、円安という方程式だが、きょうは明日のFOMCの結果を見極めたい雰囲気もあり、ポジション調整もで出ているようだ。

 一方、ユーロドルはNY時間にかけて伸び悩んでいる。ロンドン時間の早朝には対円での買いも手伝ってユーロドルは心理的節目の1.20を回復する場面も見られていた。ECBの出口戦略への期待と、明日のFOMCの結果発表を警戒したドル売りがユーロドルを押し上げたようだ。

 ただ、1.20台での戻り売り圧力も強く、NY時間に入って米国債利回りが上昇に転じていることからドル売りが一服しており、ユーロドルも伸び悩む動きとなっている。

 一部報道ではECB理事の間でユーロ高への警戒感が根強く、来年以降も当面、縮小して継続が見込まれる資産購入に、期限を設けない案も出ているとの報道も伝わっていた。ECB内でも、出口戦略に舵を切る意志は強いものの、現状のユーロ高には神経質になっている様子もうかがえる。

 市場の一部からは、10月のECB理事会での出口戦略のアナウンスも重要だが、ユーロ相場にとってはユーロ高への評価もそれ以上に重要との指摘も聞かれる。

 金利差に対するユーロ高の感度は過去最高水準に達しており、それ故にもし、10月の発表と同時に、ECBの政策への市場の関心が薄まるようであれば、ユーロ高のスピードに調整が出る可能性も否定できないとの見方もあるようだ。ただ、ユーロ高の方向は変わらないとしている。

 ポンドは戻り売りが優勢。先週の英中銀金融政策委員会(MPC)を受けてポンドは急伸している。ただ、さすがに過熱感は否めず、ポンドドルもポンド円も過熱感を示すテクニカル指標であるRSIは買われ過ぎの70を超えている。いつ調整が入ってもおかしくはない状況にはある。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
 

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