出口戦略が期待よりも緩やかな可能性は留意=NY為替

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 ユーロドルは1.18台前半での推移となっている。この日発表の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことでドル売りが強まり、ユーロドルは買戻しが強まった。ロンドン時間の1.17台半ば付近から1.18台を回復し、一時1.1835付近まで上昇。しかし、買い一巡後は動きが続かず、伸び悩む動きも見せている。1.18台に入ると戻り売りも出るようだ。

 ユーロ高についてECBも頭を悩ませているものと思われる。1.20を超えてユーロ高が進むようであればインフレ見通しに確実に影響する。景気回復の兆候が強まっており、それをもってECBは出口戦略に乗り出そうとしている。しかし、インフレに関しては期待が高まりそうな気配はない。米国もインフレ鈍化傾向が見られているが、ユーロ圏も歩調を合わせるように同様の傾向がみられている。

 現段階ではECBが具体的にユーロ高の是正に何らかの行動を取るとの見方は少ないが、秋にも言及すると見られている出口戦略が市場の期待よりも緩やかな可能性は留意される。現在の市場のコンセンサスは、現状の月間600億ユーロのペースでの資産購入を年内まで続け、来年の上半期は月間400億ユーロに購入ペースを縮小することがコンセンサスとなっている。

EUR/USD 1.1814

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
 

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