【これからの見通し】米朝の地政学リスクで円高とドル高圧力が優勢 先週末の米雇用統計発表を追え、今週は夏休みシーズンで取引参加者が少ない中、米朝の地政学リスクがクローズアップされることとなっている。週前半にはダウ平均が最高値を更新するなど米国株式市場は堅調な足取りを示していたが、トランプ米大統領の北朝鮮に対する「炎と怒り」発言をきっかけに、北朝鮮側もグアムへのミサイル発射の可能性を示すなど緊張が高まっている。 今週の為替市場は、リスク回避の円買いを軸に、クロス円の下落がドル買い圧力にもつながっている。先週までのドル安主導の流れに調整が入りやすいタイミングでもあるようだ。地政学リスクが相場のムードを支配するなかでは、相場のテーマが米ファンダメンタルズに基づいた利上げ観測には、なかなか戻ってこない。 そのような状況ではあるが、きょうあすは注目すべき米物価統計が発表される。きょうは米生産者物価指数(7月)、米新規失業保険申請件数(5日までの週)などの発表が予定されている。市場では生産者物価の前年比の伸びがコアも含めてやや加速すると見ている。あす発表される消費者物価指数の前哨戦として結果をチェックしておきたい。 また、米金融当局者ではダドリーNY連銀総裁の記者会見が予定されている。賃金の地域格差について見解が示される。賃金に関するテーマだけに、その見通しは今後の利上げペースのヒントとなる可能性があろう。記者との質疑応答が注目されよう。 その他の予定は、英国で鉱工業生産(6月)、製造業生産高(6月)、商品貿易収支(6月)などが発表される。昨日公表された7月英中銀経済状況報告(エージェンツ・スコア)では、製造業生産が上昇、ポンド安で輸出伸びる、との楽観的な表現がみられたが、きょうの生産関連指標はどうか。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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