週明けは米国の政治リスクが警戒されて、円高方向に相場が進み、ドル円は110円割れ水準を試す動きとなっていた。しかし、昨日の海外市場で109.93レベルの安値をつけた後は、流れが一変。ユーロ円の131円台への急伸とともにドル円も110円台後半へと反発している。ドル安圧力はユーロドルを中心に健在だが、ドル円にとっては円安圧力とのせめぎ合いの状況になっている。ダウ平均は昨日も最高値を更新しており、2万2千ドルに接近している。取引終了後のアップルの好調な決算で、きょうの米株先物・夜間取引も堅調な推移となっている。 きょうは米ADP雇用者数(7月)が発表される。前回は15.8万人増と伸びを欠いたが、前々回の23万人増とあわせると今回の予想値19万人程度は平均的な数字といえそうだ。ただ、毎月の米非農業部門雇用者数の結果との連関性は低い。前回のADP統計は予想比で弱めの結果だったが、非農業部門雇用者数は逆に予想比上振れの22.2万人だった。したがって、きょうのADPの結果への反応も、あとから揺り戻される可能性がありそうだ。 米国関連では、メスター・クリーブランド連銀総裁とウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されている。両名はタカ派の傾向が強く、特にメスター総裁はその面を押し出すことが多い。最近のインフレの伸びの鈍さについての見解が注目されよう。米株式市場では、アップル決算を受けた動きが注目される。きょうは取引終了後に、テスラ、メットライフ、シマンテック、AIGなどの決算発表が予定されている。 欧州時間にはユーロ圏生産者物価指数(6月)が発表される。前月比-0.1%、前年比+2.5%程度と予想されている。消費者物価ほど市場の注目度は高くない指標だが、ユーロ主導でのドル安相場が続くなかで、ユーロ関連の物価動向に反応する可能性はある。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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