ユーロドルは下げ渋る動きも見せているものの、きょうは利益確定売りが優勢となっている。明日のECB理事会を控えて積み上がっているロングポジションを調整する動きが出ているようだ。ドルも買えない、円も買えない、そして、前日の英消費者物価(CPI)を受けてポンドも積極的には買えない中、資金は再びユーロに集中している。前日はこれまで強固な上値レジスタンスとなっていた1.15の水準を突破し、一気に1.1580近辺まで急上昇する動きも見せていた。 明日のECB理事会だが、政策変更は何もないことが確実視されている。注目は声明やドラギ総裁の会見となりそうだ。市場では出口戦略に向けて文言を一歩前進させると見られているものの、大きな変更はなく、慎重姿勢も同時に強調する発言になるのではとの見方が多い。 先日、ポルトガルのシントラで開催されたECBのフォーラムでのドラギ総裁の発言を受けての市場のリアクションに非常に警戒感を持っているという。そのときはユーロはもちろんのこと、ドイツ国債利回りも急上昇していた。 ただ、市場はある程度織り込んでいる印象で、慎重姿勢を強調する発言の内容次第ということが言えそうだ。為替市場はユーロ高への期待感のみが先行する中、発言のトーン次第ではユーロ買いが加速する可能性もある。ただし、かなり強く慎重姿勢を感じ取れる発言であれば、ユーロロングは過熱ぎみでもあるだけに、一旦調整の動きが強まるリスクも留意する必要がある。非常に未知数だ。 なお、ユーロ円はドル円が下落していることもあり、128円台半ばまで下落している。 EUR/USD 1.1520 EUR/JPY 128.67 EUR/GBP 0.8837 みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
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