ポンド一段安となったあとは下げ一服、メイ首相組閣へ=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ポンド一段安となったあとは下げ一服、メイ首相組閣へ=ロンドン為替概況

 9日のロンドン市場は、ポンド相場主導の展開。

 英総選挙では、メイ首相率いる保守党が単独での議席過半数を確保できず。東京早朝の出口調査の結果にポンドが急落した。ポンドドルは1.29台半ばから一気に1.27ちょうど近辺へと数分間で下落。その後は神経質な上下動を繰り返してロンドン市場を迎えた。ロンドン序盤には再び下値を試す動きとなり、ポンドドルは1.2636レベルまで下値を広げた。市場にはメイ首相の辞任観測なども流れていた。

 しかし、メイ首相は辞任を否定、保守党はメイ英首相の続投でDUP(北アイルランドのプロテスタント系民主統一党)と暫定的に合意したと報じられ、同党の10議席を得たことで連立政権は過半数を確保することとなっている。メイ首相は新政権樹立の許可を得るためにエリザベス女王と謁見することが報じられており、早ければ本日中にも主要閣僚の指名を行うもよう。ポンド相場の下落は一服。ポンドドルは1.27台後半へと下げ渋っている。ポンド円も同様にロンドン序盤には140円台後半から139円台半ばで下に往って来いとなっている。

 4月の英鉱工業生産や商品貿易収支などの経済統計が発表されているが、ポンド相場は政治動向に視線が向かっており、結果には反応薄だった。

 その他主要通貨は比較的小動き。ユーロドルは対ポンドでの値動きの影響で、小幅に下押し。一時1.1170レベルに前日からの安値を広げた。ユーロポンドが0.8850超えとなったあとに0.8750近辺へと反落する動きに反応している。ポンドドルとは裏返しの値動き。ユーロ円は123円台後半から前半へと小安いが、123.40近辺へと次第に値動きは収束してきている。

 ドル円は堅調。110円台での取引が続いており、ロンドン序盤にかけては110.48レベルに高値を伸ばした。欧州株高や米債利回りの上昇など、リスク回避が後退したことが背景。その後は110円台前半で高止まりとなっている。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明   

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