円買いに巻き返し、欧州政治リスクで神経質も=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
円買いに巻き返し、欧州政治リスクで神経質も=ロンドン為替概況

 30日のロンドン市場は、東京朝方の円買いの動きが巻き返されている。スカイニュースによると、メイ英首相がEUとの合意なしにEU離脱する用意と表明したことが報じられている。また、世論調査で与党保守党のリードが縮小しているとの報道もあった。ギリシャ支援をめぐる動きやイタリア総選挙の前倒し実施の可能性など欧州の政治リスクが意識されることとなっている。

 そのなかで東京朝方にはドル円が111.20近辺から110.70台まで下落した。ただ、その後は下げ渋り、ロンドン序盤には111.10近辺まで買い戻されている。その後は一連の米経済指標の発表待ちとなり111円を挟む水準での取引が続いている。

 ロンドン序盤はポンドやユーロの買い戻しが目立った。東京朝方には1.28割れまで下押しされたポンドドルは、1.28台前半から1.2870台へと上昇。前日高値を上回り、ショートカバーの動きがみられた。ポンド円は142円ちょうど近辺から143円手前まで反発。東京早朝の下げを消した。

 ユーロドルは1.1110近辺でサポートされると1.1160台まで反発。ユーロ円は123円台前半から124円台を回復する場面があった。この日発表されたユーロ圏の景況感は弱かったものの、ポジション調整主導での買いが継続している。スウェーデンのGDPが予想ほど伸びなかったことを嫌気して、ユーロ買い・クローネ売りが入ったことがユーロ買いにつながる面も指摘されている。

欧州株は売りが先行しており、上値が重いが、一時プラス圏を回復するなど売買は交錯している。NY原油先物は50ドル割れから49ドル台半ばまで時間外取引で軟化。ただ、リスク動向に敏感な豪ドル相場も反発の動きとなっている。豪ドル/ドルは0.74台前半から半ばへ、豪ドル円は82円台前半から82円台後半へと上昇。

 このあとのNY市場では、米指標発表が相次ぐ。PCEコアデフレータ、個人消費・支出、S&Pケースシラー住宅価格、コンファレンスボード消費者信頼感指数など。特に、インフレ指標と少子関連指標は金融政策見通しに直結するだけに注目されそうだ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明  
 

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