株価指数先物【引け後コメント】 クレディスイス経由でのショートが裁定解消売りにつながる

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪9月限
日経225先物 28220 -320 (-1.12%)
TOPIX先物 1935.5 -23.5 (-1.19%)

 日経225先物(9月限)は前日比320円安の2万8220円で取引を終了。寄り付きは2万8480円とシカゴ先物清算値(2万8515円)を下回って始まると、現物の寄り付き直後に2万8560円と上昇に転じる場面が見られた。しかし、追随する動きは限られ、下げに転じるとランチタイムでは2万8240円まで調整。後場寄り付き後は2万8360円辺りまで下げ渋る動きもあったが、戻りの鈍さから持ち高調整の売りにつながり、2万8220円と本日の安値で取引を終えた。

 東証1部の売買高は3日連続で10億株を下回る薄商いとなるなか、朝方から先物主導でのショートの動きが見られた。節目の2万8500円を下回ることは想定内であったが、5日移動平均線を割り込んだ辺りからのリバウンド力は弱く、結局は持ち高調整につながったようである。

 市場参加者が限られていることもあり、台湾積体電路製造(TSMC)の決算を控えていたことがより神経質にさせたとの見方もある。前回のTSMCの決算は、半導体株への利益確定を強める市場反応を引き起こしたことから、結果待ちの状況を逆手に取った断続的な売りに押された格好だ。なお、TSMCの4-6月決算は2ケタ増益ではあるものの、コンセンサスを若干下回っている。この影響からか、日経225先物ナイトセッションでは開始直後に2万8080円まで下落幅を広げる場面が見られた。

 なお、NT倍率は先物中心限月で14.58倍と前日から小幅に上昇している。相対的に強さが目立っていたTOPIXではあったが、本日の下落によって25日線を割り込み、75日線水準まで下げており、日経225型へのショートよりも、TOPIX型の裁定解消売りなどの影響が目立っていた。

 手口面では、日経225先物はクレディスイスが2190枚、ドイツが770枚、野村が450枚、BofAが570枚程度の売り越しに対して、ABNアムロが1410枚、シティが770枚、SBIが610枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はクレディスイスが1550枚、バークレイズが1450枚、ゴールドマンが920枚、三菱UFJが780枚程度の売り越しに対して、ソジェンが2400枚、ABNアムロが1730枚、BNPパリバが1320枚程度の買い越しだった。クレディスイス経由でショートの動きが見られているが、日経225先物、TOPIX先物ともに、昨日から売り越し枚数は倍増。これによって、ソジェンやABNアムロ、BNPパリバ経由からの裁定解消(先物買い・現物売り)のトレードが誘発されたようである。

株探ニュース

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