●IPOおよび「空箱」SPAC ○シェアオフィス大手ウィーワークが特別買収目的会社(SPAC)経由で上場しました。初値は11.28ドル、一時14.97ドルまで上場しましたが、10.21ドルで月末を迎えました。時価総額は80億ドルです。同社は2019年に上場を試みて断念していますが、当時の評価額は470億ドルでした。 ○今後も活発なIPOが見込まれます。 ⇒地域SNSを運営するネクストドアはSPACのKhosla Venturesとの合併を通じて上場を計画しており、企業評価額を43億ドルと見込んでいます。 ⇒デジタル貯蓄・投資アプリを運営するエイコーンズはSPAC経由での上場を計画しており、企業評価額を22億ドルと見込んでいます。 ⇒イスラエルのデジタル取引プラットフォームのイートロはSPAC(FinTech)経由で上場すると発表しました。時価総額100億ドルを見込んでいます。 ⇒東南アジアでライドシェア、フードデリバリー、送金のアプリを運営しているグラブはSPAC経由で上場することを発表し、企業評価額を400億ドルと予想しています。 ●企業業績 ○2021年第3四半期決算も予想が上振れる傾向が続いており、発表を終えた276銘柄中223銘柄(80.8%)で営業利益が予想を上回り、42銘柄で予想を下回り、11銘柄で予想通りとなりました。また、売上高では273銘柄中209銘柄(76.6%)が予想を上回りました。 ⇒2021年第3四半期は、過去最高益を記録した第2四半期から1.1%の減益が予想されていますが、S&P500指数の歴史において四半期ベースで利益は2番目に高い水準となる見通しです。 ⇒2021年通年については過去最高益を更新する見通しで、前年比で65.0%の増益が見込まれ、2021年予想PERは22.8倍となっています(2020年利益は同22.1%減)。 ⇒2022年の利益は2021年予想からさらに8.7%増と、過去最高益の再度の更新が見込まれ、2022年予想PERは21.0倍となっています。 ⇒2021年第3四半期中に株式数の減少によってEPSが大幅に押し上げられた発表済みの銘柄の割合は7.8%でした(第2四半期は5.4%、2020年第3四半期は9.6%、2019年第3四半期は22.8%)。 ⇒2021年第3四半期の営業利益率は13.33%となり、過去最高となった第2四半期の13.54%からは低下しましたが、依然として高水準を維持しています(1993年以降の平均は8.12%)。 ●個別銘柄 ○ソーシャルメディア企業のフェイスブック(メタ・プラットフォームズ)の内部告発者がニュースショー「60ミニッツ」に登場し、フェイスブックが公共の利益よりも自社の利益を優先していることを裏付けるとされる内部文書を明らかにしました。翌日にはフェイスブックのサービスのウエブサイトが6時間にわたって停止しましたが、これらは市場が下落する中で起きました。 ⇒フェイスブックは10月下旬、社名をメタ・プラットフォームズ(2021年10月29日以降)に変更し、フェイスブックの名称はウエブと事業部門で引き続き使用することを発表しました。2015年には、グーグルが社名をアルファベット に変更し、グーグルはウエブと製品の名称として継続されています。 ○iPhoneメーカーのアップル がiOSの広告追跡サービスを変更(広告主にとって、結果を測定することがより困難になりました)したことを受けて、写真アプリを提供するスナップ などのソーシャルメディア銘柄の株価が下落しました。 ○レンタカー大手のハーツグローバルHD が電気自動車メーカーテスラ に車両10万台を発注したことを受けてテスラの株価が上昇し、同社の時価総額は1兆ドルを超えました(株式総数に基づく)。テスラは2020年に50万台を納車し、2021年に90万台を納車する見通しとなっています。後日、ハーツは5万台をウーバー・テクノロジーズ にレンタルする予定であることを明らかにしました。 ○ソフトウエア企業のマイクロソフト はiPhoneメーカーのアップルを抜いて時価総額が指数構成銘柄中最大となり、世界首位に返り咲きました。 ●注目点 ○原油価格は10月も上昇傾向が続き、9月末の75.27ドルから83.22ドルに上昇して月を終えました(2020年末は48.42ドル、2019年末は61.21ドル)。 ⇒エネルギー銘柄は引き続き上昇しましたが、一部のESGポートフォリオ運用者はこれらの銘柄を依然として回避しています。 ○債券利回りは上昇した後に低下しました。米国10年国債利回りは一時1.69%を付けた後に低下しましたが、9月末の1.49%から1.56%に上昇して月を終えました(同0.92%、同1.92%)。 ○ビットコインも引き続き上昇しました(下落と上昇の繰り返しでした)。一時6万6930ドルを付けて最高値を更新した後、9月末の4万3790ドルから6万2039ドルに上昇して月の取引を終えました。 ○ガソリン価格は上昇を続け、9月末の1ガロン=3.271ドルから、この7年間で最高となる3.476ドルに上昇して月末を迎えました(2020年10月は2.234ドル)。 ○誰も行ったところのないところに果敢に挑戦する…「スタートレック」シリーズの「カーク船長」こと俳優のウィリアム・シャトナー氏がブルー・オリジンのロケット「ニュー・シェパード」に搭乗し、宇宙飛行を行いました。同氏は90歳で、宇宙飛行の最高歴記録を更新しました(長寿と繁栄を)。 ※「マネーの動きを追え! 高値更新を重ねた10月 (5)」へ続く 株探ニュース
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