きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となっており、ドル円は140円を割り込んでいる。この日発表の米新規失業保険申請件数や米PMIのデータが弱い内容となったことをきかっけにドル売りが強まっている。ドル円もストップを巻き込んで139.70円付近まで一気に下落。感謝祭ウィークで市場参加者が少なくなっていることも、ドルの急速な売りに繋がっている可能性もありそうだ。 市場は午後のFOMC議事録を待っている。パウエルFRB議長が利上げペース減速の可能性を示唆した会合だったが、FOMC後に発表された米消費者物価指数(CPI)がインフレのピークを示す兆候も示す内容となったこともあり、市場はFRBの動きを過度に織り込んでいた。 ただ、一部のFOMC委員からのけん制の発言も出て、ドルは買戻しが出ていたが、FOMC議事録を前に再びドル売りを強めている模様。 また、今回の利上げサイクルのターミナルレート(最終着地点)も過度に低い水準で織り込む動きも出ていたが、FOMC委員からのけん制で現在は5.25%程度のコンセンサスで織り込んでいる状況。議事録を受けて、この辺に変化が出るか注目される。市場は現在、12月は0.50%ポイント、来年は0.25%ポイントずつの通常幅で利上げを続けると予測している。 ユーロドルは買いが優勢となり、一時1.0380ドル近辺まで上昇している。200日線が1.04ドルちょうど付近に来ており、うかがう展開を見せている状況。 この日は11月調査のユーロ圏PMI速報値が発表になっていたが、製造業とサービス業で予想を上回る上昇となった。総合指数も10月の47.3から47.8に上昇。しかし、依然として景気縮小を示唆する内容ではある。50以下の水準が続いており、企業活動の収縮を示唆している。これまでの10、11月分のデータからは、第4四半期のGDPは0.2%強のマイナス成長予測と整合するという。 ユーロ圏 総合PMI(速報値)(11月)18:00 結果 47.8 予想 47.0 前回 47.3 製造業PMI(速報値)(11月)18:00 結果 47.3 予想 46.0 前回 46.4 非製造業PMI(速報値)(11月)18:00 結果 48.6 予想 48.0 前回 48.6 ポンドドルは上げを加速させ、1.20ドル台を回復。一時1.2080ドル近辺まで上昇したが、200日線が1.22ドルちょうど付近に来ており、試しに行くか注目される。 ただ、1.20ドル台の維持には苦労を要する可能性があるとの指摘も少なくない。ポンド自体に強力な上昇要因がないためだ。しかし、ポンドはユーロよりもリスクセンチメントに対する感応度が高いため、世界のリスクセンチメントが本格的に改善すれば、ポンドがサポートされる可能性はあるという。 きょうはスコットランド議会が英政府の承認なしに2度目の独立住民投票を実施できるかどうかについて英最高裁判所の判決が下った。内容次第ではポンドが乱高下する可能性があったが、大方の予想通りに、最高裁は政府の承認なしに住民投票を行うことはできないという見解を支持した。短期的なポンドの安定という面では最良の結果となった。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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