【前週までのレビュー】産地の天候不順や海外投資家が買い方に回ったことから、買い が先行するとみた。ただ、内部要因主導の上昇の可能性もあり、急反落には注意したい とした。 【期近主導の上昇】 JPXゴムRSS3号の活発限月の3月限は、続騰となった。19日は276.9円 まで上昇し、28円超の上昇となった。ただ、その後は、262円台まで下落する場面 があった。一方、今回の急騰を主導した期近10月限は、19日に378.4円まで上 昇し、10月6日の安値230.9から2週間で147.5円も上昇した。11月限と は100円近い逆ザヤとなっており、産地の天候不順だけでなく、玉締めなどの内部要 因があったとみる。 産地サイドをみると、タイ中央ゴム市場のオファー価格は、19日現在で62.07 バーツ、この1週間で4.84バーツ(日本円で約20円)の上昇となっている。産地 価格は依然として上昇を続けていることから、中心限月の3月限は調整安となっても、 下げ幅は限られる可能性がある。ただ、今回の急騰場面は、取組高の減少を伴っている ことから、下落となった時の下げ足は速いだろう。投資主体別売買動向をみても、海外 投資家は再び売り方に転じている。また、上海ゴムの上値が重くなっていることも気掛 かりだ。修正安には注意したい。 【上海ゴムは調整場面か】 上海ゴムの中心限月1月限は16日、1万4920元まで上昇し、一代の高値を更新 した。だが、同水準で上値が重くなると、その後は徐々に上値が重くなっており、20 日には1万4560元まで軟化する場面があった。現状、1万4500元付近が支持に なっているが、同水準を下抜くと、節目の1万4000元を目指す可能性がありそう だ。 【中国景気には慎重な見方が支配的か】 18日に中国国家統計局が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比 4.9%増と、市場予想の4.4%増を上回った。第2・四半期の6.3%増から伸び 率は鈍化した。また、同時に発表された9月の鉱工業生産は前年比4.5%増と前月と 同水準、9月の小売売上高は5.5%増となり、8月の4.6%増から加速した。 全体としては市場予想を上回る内容となっており、8月下旬からの財政政策や金融緩 和が効き始めている。ただ、同日の中国の株式市場は、上海総合株価指数、香港ハンセ ン指数ともにマイナスサイドでの取引となった。依然として景気減速への警戒感は強い ようだ。 【東京ゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の3月限は、続騰となった。10月に入り、売りが優勢に なると、6日には、これまで支持線となっていた230円を下抜きと、227.8円ま で水準を引き下げた。だが、同水準で支持されると、11日には237.5円まで戻 し、翌12日には上海ゴムの大幅高を手掛かりに249.5円まで急騰し、9月14日 に付けた一代の高値240.0円を更新した。その後も期近主導で続騰となり、19日 には276.9円まで水準を引き上げた。ただ、同水準で上値が抑えられると、20日 には262円台まで下落するなど、値動きの荒い展開となっている。 買いが先行すれば、節目の270円が最初の関門。270円台を回復すれば、19日 に付けた一代の高値276.9円や節目の280円を意識した展開になりそうだ。 一方、反落となれば、節目の260円が支持線になろう。20日の午前の取引でも 260円接近では買いが入っていた。同水準を下抜くと、直近の上昇が取組の減少を伴 っただけに、売りが加速し、250円を目指すことになるとみる。 【今週の注目ポイント】 産地相場の動きに注目したい。産地相場は、依然として上昇を続けている。ただ、上 海ゴムなど、この動き追随しない市場も出てきており、産地相場が、上海ゴムなどに追 随となれば、調整安場面となろう。 【相場予想レンジ】 10月23〜27日のゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は240〜280円。 テクニカルの支持線は240.0円(節目)、抵抗線は276.9円(一代の高値)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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