【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における12月 19日時点の大口投機家の売り越しは255万8670枚となり、前週の230万 3218枚から拡大した。取組高合計は4216万4908枚となり、前週から123 万2685枚(2.84%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が18.5%減、債 券合計が0.7%減、為替合計が17.6%減となった。商品市場の取組高は、穀物合 計が0.1%減、エネルギー合計は2.2%減、金属合計は1.4%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売り、新規売 りが出て売り越しを拡大、債券で手じまい売りが買い戻しを上回って売り越しを拡大し た。為替は手じまい売りが買い戻しを上回って買い越し(ドル売り)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米金融当局者の早期利下げをけん制する発言が目立ったが、米国債の利回り が低下し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が続いた。米国内総生産(GD P)の下方修正や米個人消費支出(PCE)価格指数でインフレの伸びが鈍化したこと を受けて来年3月の利下げの見方が強い。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が6万4902枚売り越し(前週8万1131 枚売り越し)、ユーロは11万4592枚買い越し(同14万7327枚買い越し)、 英ポンドは1万9926枚買い越し(同2万1581枚買い越し)となった。ユーロは 手じまい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。 商品市場では、原油は英石油大手BPが親イラン武装組織フーシ派の攻撃を受けて紅 海の航行を一時停止したことから買い優勢となった。貴金属市場では、金が米国内総生 産(GDP)の下方修正や米個人消費支出(PCE)価格指数でインフレの伸びが鈍化 したことを受けて4日以来の高値2070.00ドルを付けた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が18万2743枚買い越し(前 週15万1599枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュ ーヨーク金は20万1339枚買い越し(同18万8233枚買い越し)、ニューヨー ク・プラチナは1万6998枚買い越し(同7709枚買い越し)に拡大した。金、プ ラチナともに新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが12万7570枚売り越し(前週10万 1215枚売り越し)に拡大、大豆は1998枚買い越し(同1万7539枚買い越 し)に縮小した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は手じまい売り、新規売 りが出た。前週のコーンは、小麦の軟調につれ安となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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