貴金属は、金が反落して寄り付く見通し。金はニューヨーク安を受けて売り優勢とな ろう。銀はニューヨーク高を受けて小幅高となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプ ラチナがニューヨーク市場での下げ一服を受け、まちまちの値動きとなろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は12.62ドル安 の2019.88ドル、銀が7セント高の2268セント、プラチナが0.17ドル高 の891.63ドル、パラジウムは0.35ドル安の893.92ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=149.29/31円で、前営業日の 大引け時点から0.10円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が9695円前後、銀は106.6円前後、プラチナは 4310円前後、パラジウムは4400円前後。 【NY金は米CPIが目先の焦点】 金はきのうの海外市場では、米国債の利回り上昇などを受けて売り優勢となった。 金は米国債の利回り上昇などが圧迫要因になった。昨年12月の消費者物価指数(C PI)は前月比で速報値0.3%上昇から0.2%上昇に下方改定された。米国債の利 回りが低下する場面も見られたが、3月の金利据え置き見通しから利回りは上昇した。 ニューヨーク連銀が発表した1月の消費者調査によると、1年先と5年先のインフレ期 待はそれぞれ3%、2.5%で横ばいとなった。一方、3年先のインフレ期待は2.4 %で、昨年12月の2.6%から低下し、2020年3月以来の低水準となった。今夜 は1月の米CPIの発表がある。事前予想が前年比2.9%上昇と前月の3.4%上昇 から伸びが鈍化する見通し。 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパネッタ・イタリア中銀総裁は、ECBが 利下げに踏み切る時が「刻一刻と近づいている」と述べ、適切なタイミングで段階的に 実施すれば金融市場や経済への影響を軽減できるとの認識を示した。スペイン銀行(中 銀)のデコス総裁は、ECBが3月に発表するインフレと経済成長に関する新たな見通 しは、利下げの開始時期を決定する上で極めて重要だとの見方を示した。一方、ボウマ ン米連邦準備理事会(FRB)理事は、「FRBのインフレ対策には多くのリスクが残 されており、いつ、どれだけ利下げを行うかを予想するのは時期尚早」との認識を示し た。 イスラエルのネタニヤフ首相は9日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファから民間人 を退避させると同時に同地域に残っているイスラム組織ハマスの戦闘部隊を壊滅させる 計画を策定するよう軍に指示したと明らかにした。イスラエル軍は12日、パレスチナ 自治区ガザ最南部ラファで特別部隊による作戦を実施し、人質2人を救出した。救出作 戦と同時に空爆を実施した。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官 は12日、イスラエル軍とハマスの戦闘が続くパレスチナ地区ガザにおける人道的な休 戦を「引き続き支持する」とし、戦闘休止に向け取り組むようイスラエルに呼びかけ た。 銀はきのうの海外市場では、ドル高一服をきっかけに買い戻された。 【NYプラチナはドル高一服で買い戻される】 プラチナはきのうの海外市場では、欧州中央銀行(ECB)の利下げ期待やドル高一 服を受けて買い戻された。 プラチナは欧州中央銀行(ECB)の利下げ期待やドル高一服を受けて買い戻され た。パネッタ・イタリア中銀総裁は、ECBが利下げに踏み切る時が「刻一刻と近づい ている」と述べた。一方、米国債の利回りが上昇する場面も見られたが、米消費者物価 指数(CPI)の発表を控えてドル高が一服すると、買い戻しが進んだ。今週は中国が 春節休暇で休場だが、900ドル割れの水準は割安水準であり、買い戻しが入りやす い。 <今日の予定> ●中国・香港(春節) ・企業物価指数 2024年1月(日本銀行) ・英雇用統計 2024年1月(国立統計局) ・独景況感指数 2024年2月(ZEW) ・米消費者物価指数 2024年1月(労働省) MINKABU PRESS 東海林勇行
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