NY原油市況=下落、EIA月報で後半に上げ幅を失う

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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ニューヨーク原油(NYMEX)

              始 値     高 値   安 値  帳入値   前日比
  2024/04     78.09      78.73      77.34      77.56      - 0.37
  2024/05     77.71      78.31      77.01      77.25      - 0.28
  2024/06     77.34      77.90      76.67      76.90      - 0.24
  推定出来高        前日出来高      前日取組高 (前々日比)
    763,410             864,853             1,714,062   (+ 13,921)
                    帳入値  前日比
ヒーティングオイル  2024/04     261.65    - 3.53
                   2024/05     258.45    - 2.16
改質ガソリン        2024/04     258.64    + 0.59
                   2024/05     257.79    + 0.55

注:4本値は立会い取引終了までの値段で、立会い取引終了後の電子取引の値段は含み
  ません。電子取引が立会い取引までの高値および安値を更新した場合、相場表の高
  値および安値と市況内の相場表の4本値は異なります。
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 ニューヨーク原油は下落。終値の前営業日比は期近2限月が0.37〜0.28ドル
安。その他の限月は0.24〜0.18ドル安。
 11日に武装組織フーシ派を標的に米英連合軍がイエメン西部の港湾都市を空爆し
て、ガザでもイスラエルの攻撃でハマスのナンバー2が殺害された可能性が報じられる
など、ラマダン入りしても中東地域の緊張が続いていることが下支え要因。
 2月の米消費者物価指数(CPI)発表後にドル高に振れたことで下振れる場面もあ
ったが、米株が騰勢を強めたことで米国の時間帯中盤にかけては安値から切り返した。
 しかし後半は米エネルギー情報局(EIA)の月報である短期エネルギー見通しで
2024年、2025年の米国産原油の生産量見通しが上方修正されたことに圧迫され
てマイナスサイドに沈んだ。

 4月限はアジアの時間帯の時間外取引では78ドル台前半でこう着した値動き。欧州
の時間帯に入ると上昇して、前半には78.70ドルまで上値を伸ばした。しかし後半
から米国の時間帯前半にかけて崩れて、安値は77.34ドルまであった。その後はV
字型の切り返しとなり、米国の時間帯中盤にこの日の高値となる78.73ドルを付け
た。しかし後半は再び崩れて78ドル台を大きく割り込んでマイナス引けした。

 この日発表された石油輸出国機構(OPEC)の月報では、世界石油需要の伸びが
2024年が日量225万バレル、2025年が同185万バレルと、ともに前月から
据え置きとなった。ただこれは産油国側からの強気の見通しと見られており、14日の
国際エネルギー機関(IEA)月報はもっと低めの見通しになる可能性がある。
 また2月のOPECの産油量は同2657万バレルと、前月比同20万バレル増とな
った。
 1月の経済協力開発機構(OECD)加盟国の民間在庫(原油および石油製品)は
27億3500万バレルと、前月比2680万バレル減となった。

 この日発表されたEIAの月報である短期エネルギー見通しで、2024年の米国産
原油の生産量見通しが日量1319万バレルと、前年比2%増となり、前回見通しの同
1310万バレルから上方修正された。また2025年も同1365万バレルと、前年
比3.5%増となり、前回見通しの同1349万バレルから上方修正された。
 改質ガソリンは総じて小幅続伸、ヒーティングオイルは反落。原油が上げ幅を失った
ことに後半圧迫されたが、季節的な要因もあり、ガソリンは小幅ながらプラスサイドを
維持したが、ヒーティングオイルは下げ幅が大きくなった。

今日の材料
・世界石油需要の伸びは2024年が日量225万バレル、2025年が同185万バ
 レルと、ともに前月から据え置き=OPEC月報。
・2月のOPECの産油量は同2657万バレルと、前月比同20万バレル増
 =OPEC月報。
・1月の経済協力開発機構(OECD)加盟国の民間在庫(原油および石油製品)は
 27億3500万バレルと、前月比2680万バレル減=OPEC月報。
・米英軍のイエメン空爆、イスラエルのガザ攻撃継続などラマダン入り後も中東情勢の
 緊張続く。
・2月の米CPI発表後にドル高も、米株が騰勢を強めたことで原油も一時安値から切
 り返す。
・2024年の米国産原油の生産量見通しが日量1319万バレルと、前年比2%増、
 2025年も同1365万バレルと、前年比3.5%増となり、ともに前回見通しか
 ら上方修正=EIA短期エネルギー見通し。

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