【前週までのレビュー】300円台で値固めの後、株高や産地高などを手掛かりに上値 を試すとみた。 【上値模索】 JPXゴムRSS3号の活発限月8月限は、産地相場の急伸を背景に連日の一代の高 値更新場面となり、3月15日には340円台に上昇した。今後だが、主要産地である のタイは一年で最も供給がタイトになるウィンタリング(落葉期=減産期)に目前に迫 っていることから、産地相場が大崩れする可能性は低いとみる。このため、JPXゴム RSS3号は産地高から上値を模索する展開になる可能性が高そうだ。 【産地相場は青天井】 タイの現物価格の上昇が止まらない。タイ南部の天然ゴム主要積み出し港のソンクラ 渡しのオファー価格は14日時点で91.63バーツ(約380.26円)となってい る。この直近1週間で約10バーツ(約41.5円)も上昇しており、値動きだけをみ ると、過熱感がある。ただ、今回の上昇場面では、JPXゴムRSS3号や上海ゴムが 調整安となっても、産地価格は高値圏を維持してきた。生産者の間では、天候不安など から、今後、供給が細るとの思惑が強いのだろう。 産地は目先、ウィンタリング(落葉期=減産期)に入る。通常、タイでは、水祭り (ソンクラーン)明けの時期が、供給が一番細る。今年のソンクラーンは4月12〜1 6日である。今後、ウィンタリングがさらに意識され、上値を模索する可能性がある。 【上海ゴムは一代の高値が視野に入る】 上海ゴムは一代の高値が視野に入ってきた。2月28日の取引で中心限月の5月限が 1万4030元まで上昇したが、1万4000元超では戻り売りを浴びた。同日の日足 は十字線となると、3月6日には1万3675元まで軟化した。だが、同水準が支持と なり、反転を開始。8日に一時1万4000元台に乗せると、15日には1万4730 元まで上値を伸ばし、昨年10月16日に付けた一代の高値1万4850元に迫ってい る。 中国の先物市場は、13日に中国の銅精錬大手が協調減産を決定したことから、銅価 格が急騰し、22カ月ぶりの高値を付けた。これを受けて、一部の素材価格も地合いを 総じて地合いを引き締めている。中国の素材価格全体に買いが広がるようなら、上海ゴ ムは中期的な上昇トレンドに入る可能性がある。 【東京ゴム活発限月の8月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の8月限は、大きく水準を引き上げた。2月に入ってから の値動きをみると、産地高を背景に5日に289.1円まで上昇したが、同水準では上 値が重くなり、産地相場の伸び悩んだことから売りが先行、春節で中国勢が不在の13 日には275.0円まで下落した。その後、円安や株高を手掛かりに再び騰勢を強め、 16日に290円台に乗せると、295.4円まで急伸した。22日に306.5円ま で上昇し、一代の高値を付けた。その後、徐々に上値が重くなり、3月1日には295 円前後まで一時軟化した。ただ、同水準で支持されると、8日に大陽線を付けて313 円台まで上昇。その後は青天井の様相を呈し、15日には340円台まで水準を引き上 げ、連日の一代の高値場面となった。 一段高となれ、節目の245円が最初の関門。同水準を突破すれば、節目の250円 を試すとみる。 一方、下落となれば、節目の330円前後が支持になる。同水準を割 り込むと320円前後を目指すとみる。 【今週の注目ポイント】 JPXゴムRSS3号は、産地相場に注目したい。産地相場は、青天井となってい る。ウィンタリングも迫っていることから、一段高となる可能性が高い。ただ、産地相 場が下落を開始するようなら、今回の上昇相場にヒビが入ることなろう。 【相場予想レンジ】 3月18〜22日のJPXゴムRSS3号8月限の中心レンジ予想は300〜360 円。テクニカルの支持線は324.8円(3月13日安値)、抵抗線は350.0円 (節目)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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