[3月18日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 2 月限 3 月 11 日〜 3 月 15 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 10,274 10,379 (11) 10,216 (13) 10,339 +75 銀 117.0 120.0 (14) 117.0 (11) 120.0 +3.0 プラチナ 4,358 4,445 (14) 4,312 (11) 4,416 +60 パラジウム 4,900 5,000 (14) 4,900 (11) 5,000 +100 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 14 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 4) 2,167.5 -18.0 | ドル・円 148.29 0.36 円安 銀 ( 5) 2,506.0 +51.1 | 日経平均 38,707.64 -981.30 プラチナ ( 4) 935.7 +20.9 | NY原油 ( 4) 81.26 +3.25 パラジウム ( 6) 1,078.60 +53.30 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 14日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は欧米の利下げ期待で堅調、とした。 金は弱気の米雇用統計を受けて一段高となったが、米消費者物価指数(CPI)や米 生産者物価指数(PPI)の伸び加速を受けて上げ一服となった。現物相場は史上最高 値2194.01ドルを付けた。金先限は上場来高値1万0379円を付けた。 2月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増加と、 事前予想の20万人増を上回った。ただ過去2カ月分の雇用の増加数が合計16万 7000人下方修正されたことに加え、失業率が3.9%と約2年ぶりの水準に上昇 し、米労働市場の減速の可能性が示唆された。一方、2月の米消費者物価指数(CP I)は前月比0.4%上昇、前年同月比3.2%上昇した。1月の前月比0.3%上 昇、前年同月比3.1%上昇から、ガソリンや住居費の上昇で伸びが加速した。事前予 想は前月比0.4%上昇、前年同月比3.1%上昇。また米生産者物価指数(PPI) は前月比0.6%上昇した。1月の0.3%上昇から伸びが加速し、事前予想の0.3 %上昇を上回った。米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の20万9000件 となった。事前予想の21万8000件から予想外に減少した。CMEのフェドウォッ チで、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ確率は54.8%(前週 58.2%)に低下し、年末までの利下げ幅は75ベーシスポイント(bp)の確率が 34.6%(同28.5%)に上昇した。今後発表される経済指標が堅調な内容になる と、6月以降の利下げの見方が強まる可能性がある。 トヨタは春闘で4年連続の満額を回答した。15日の集計で賃上げが昨年を大幅に上 回るようなら18〜19日の日銀金融政策決定会合でマイナス金利解除を議論するとみ られている。ただ個人消費は弱く、解除は4月に先送りされるとの見方もある。金先限 にとってはこれまでの円安基調が反転するようなら、上値を抑える要因になる。ただ植 田日銀総裁はこれまでマイナス金利を解除しても、緩和的な金融環境は当面続く可能性 が高いと述べている。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は14日時点で 1008.69トンとなり、前週末比1.25トン増加した。米国で1.73トン増 加、英GBSで0.04トン、英ETFSで0.44トン減少した。米連邦準備理事会 (FRB)の利下げ期待を受けて投資資金が戻った。一方、米商品先物取引委員会(C FTC)の建玉明細報告によると、3月5日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い 越しは19万1293枚となり、前週の14万1636枚から拡大した。今回は新規買 いが4万9200枚、買い戻しが457枚入って4万9657枚買い越し幅を拡大し た。 イスラエルは、パレスチナ自治区ガザ南部にある国連の食料配給拠点への空爆で、標 的としたイスラム組織ハマスの司令官を殺害したと明らかにした。ガザ保健当局による と、このほかに国連職員を含む4人が死亡した。停戦協議について、ハマスからの回答 はなく、ラマダン(断食月)前の戦闘休止の合意はなかった。またレバノンの親イラン 武装組織ヒズボラは、イスラエルが占領するゴラン高原にあるイスラエル軍の防空前哨 基地をドローン(小型無人機)で攻撃したと発表した。中東情勢の行方を引き続き確認 したい。一方、欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は、ウク ライナ戦争の結末は今春から夏にかけて決まるとの見方を示し、新たな支援を早急に確 保する必要があると訴えた。ウクライナはロシアの石油施設をドローンで攻撃した。ロ シアのプーチン大統領は大統領選への干渉が狙いだと述べており、ウクライナ情勢も確 認したい。 【銀は米利下げ期待が支援】 銀の現物相場は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待や金堅調を受けて買い優 勢となり、昨年12月以来の高値25.12ドルを付けた。米消費者物価指数(CP I)の伸びが加速したが、6月の利下げ見通しに変わりがないことから、押し目を買わ れると、テクニカル要因の買いを巻き込んで急伸した。ただ米生産者物価指数(PP I)の伸びも加速すると、利下げが6月以降になるとの見方も出ており、今後発表され る経済指標を確認したい。 14日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比82.50トン 減の1万2997.11トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建 玉明細報告によると、3月5日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは2万 8315枚となり、前週の1万4499枚から拡大した。新規買い、買い戻しが入っ た。 当面の予定(イベント・経済統計) 18日 機械受注 2024年1月(内閣府) 金融政策決定会合(日本銀行、19日まで) 中国小売売上高 2024年2月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2024年2月(国家統計局) ユーロ圏消費者物価指数 2024年2月確報(EUROSTAT) ユーロ圏貿易収支 2024年1月(EUROSTAT) 19日 キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行) 総裁記者会見(日本銀行) 独景況感指数 2024年3月(ZEW) 米住宅着工・許可件数 2024年2月(商務省) 対米証券投資 2024年1月(財務省) 米連邦公開市場委員会(FRB、20日まで) 20日 ●春分の日 独生産者物価指数 2024年2月(連邦統計庁) 英消費者物価指数 2024年2月(国立統計局) 英生産者物価指数 2024年2月(国立統計局) 米FOMC声明文公表(FRB) 21日 ●人権記念日(南ア) 貿易収支 2024年2月速報(財務省) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年3月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年3月速報(Markit) 英中銀政策金利公表(BOE) 米経常収支 2023年10-12月期(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米製造業景況指数 2024年3月(フィラデルフィア連銀) 米中古住宅販売統計 2024年2月(全米不動産協会) 22日 消費者物価指数 2024年2月(総務省) 英小売売上高 2024年2月(国立統計局) 独景況感指数 2024年3月(ifo) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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