<金> NY金6月限は4月22日に軟化し、その後、一時は2304.60ドルまで下落し ていたが、下落後の修正から持ち直し2350ドルを上値抵抗にしての高下が続いてい る。 25日に発表された米第1四半期の米国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期 比1.6%増と伸びは鈍化していたものの、コア個人消費支出(PCE)指数は3. 7%上昇し、前四半期から伸びが加速していたことを受けてインフレ率上昇に対する懸 念が高まっている。 インフレ上昇に対する警戒感は、米国の利下げ着手の時期が今年後半に連れ込む可能 性を高めるものになるため本来ならば金市場にとっては弱材料になる。高金利環境が長 引くことによる財政悪化や景気に与える影響に対する警戒感が強まり、安全資産として の金の需要を刺激する可能性がある。世界各国の中央銀行による外貨準備高の資産価値 防衛としての金需要を底堅いものとするだろう。 景気不安を背景とした中国での需要も引き続き旺盛な状態が見込まれる。中東情勢不 安も安全資産を求める動きを高めると予想される。NY金6月限は2300ドルを下値 支持線にしての高止まりが想定される。 <銀> NY銀5月限は2700セントを上値抵抗にしての動きが続いている。金の頭重い足 取りに追随する動きが続いているが、安全な資産としての価値が乏しいだけに頭が重 い。引き続き同じ価格帯で高下が予想される。 <白金> NY白金7月限は4月11日に値崩れした後920ドル前後に達したところで下げ渋 りに転じている。LMEではロシア産非鉄金属の新規取り扱いが禁止されるなど英米に よる経済政策が背景となり、価格が急騰する場面も見られているが、白金市場の反応は 乏しい。新しい材料にかける状況が続いているだけに、もちあい継続が見込まれるとこ ろ。 <パラジウム> NYパラジウムは25日の取引で大きく値を崩した。独自の材料に乏しい中での下落 であり、チャートの悪さからさらに値を落とす展開が見込まれる。 ただ、この下落で白金との価格差が縮小していることに注意が必要か。白金がもちあう ようであれば、価格差から買い戻される可能性もある。
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