貴金属4品週間見通し=NY金は利下げ着手期待と安全資産受け高値圏を維持

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金8月限は強まり米利下げ着手期待を受けて17日に2488.40ドルまで上
昇して高値を更新。その後は買い警戒から反落に転じているものの、5日間移動平均線
を支持線として下げ渋るなどチャート面でも底堅さを窺わせる足取りになっている。6
月の米消費者物価指数(CPI)の伸びの鈍化、米雇用情勢の緩和の兆しが見られ、米
連邦準備理事会(FRB)による9月利下げ着手を市場は織り込んでいる感が強い。
 6月の米小売売上高は前月比−0.3%の事前予想に反し、前月比で横ばいになるな
ど、底堅さを見せていることは米経済不安を後退させる要因で米株式市場などの金融市
場では買い支援要因ながら、利下げ着手期待が高まるNY金市場では上値抑制要因とな
った。
 ただ、雇用情勢の緩和が賃金上昇率の伸び悩みを促す傾向が続くようであれば米小売
売上高も今後低迷に転じる可能性がある。そうなれば利下げ着手期待と同時に、安全資
産としての金を求める動きも刺激されると見られるため、今後の小売売上高の動向に注
目したい。
 また、高金利環境の長期化が個人消費に与える影響が警戒されることも金市場の買い
支援要因。住宅販売や自動車販売などでは金利の上昇による需要の落ち込みも見られて
いる。
 米中対立の激化に対する警戒感が安全資産としての金を呼び込む可能性も想定される
だけに、高値を更新したことで買い警戒感が強まっているため、更に上値を目指す可能
性は限られているものの、利下げ着手期待が高まるなか、NY金は高止まり傾向が続く
のではないだろうか。
<NY銀>
 NY銀は、金に追随する買いに支えられているものの、安全資産としての需要の薄さ
から金に比べると伸び悩んでいる。中国の第二四半期国内総生産(GDP)の落ち込み
を受けた。どこの工業用としての銀需要不安が浮上していることも上値を抑制する要
因。
 金がしっかりとした足取りを保つと予想されるため高値を維持すると見られるものの
上げ余地限られる中での高下が続きそう。
<NY白金>
 NY白金は終値では1000ドル台を維持していたが18日の取引で大きく値を崩し
て986ドルでこの日の取引を終えている。NY金が最高値更新後に値を落としながら
も高値圏を維持するなど、底意の強い足取りを見せている金に対し、上値の抑制される
足取りが続いている。
 中国の景気不安や中国産電気自動車(EV)の過剰生産問題から中国産EV車への関
税引き上げが実施されるなど、白金需要のっ見通し不透明感が強まっている。1000
ドルの節目を上値抵抗線にしての頭重い足取りが想定される。
<NYパラジウム>
 NYパラジウム9月限は白金の軟調な足取りに追随し18日には950ドルの節目を
割り込んだ。中国の需要不安を受けてNY白金は低迷すると予想されるため、950ド
ルを上値抵抗線にしての低名場面が想定される。
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