[10月28日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 8 月限 10 月 21 日〜 10 月 25 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 13,097 13,572 (24) 13,059 (21) 13,345 +259 銀 160.8 171.1 (23) 160.8 (21) 167.0 +12.1 プラチナ 4,850 5,093 (25) 4,813 (21) 4,930 +95 パラジウム 5,200 5,600 (25) 5,200 (21) 5,600 +700 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 25 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 2,754.6 +24.6 | ドル・円 151.85 2.01 円安 銀 (12) 3,377.9 +54.5 | 日経平均 37,913.92 -1067.83 プラチナ ( 1) 1,036.7 +12.2 | NY原油 (12) 71.78 +3.09 パラジウム (12) 1,202.70 +117.80 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 25日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は欧米の利下げ見通しが支援要因、とした。 金は中東情勢に対する懸念や米大統領の不透明感を受けて買い優勢となり、内外で最 高値を更新したのち、米国債の利回り上昇を受けて上げ一服となった。現物相場は史上 最高値2757.99ドルを付けた。金先限は上場来高値1万3572円を付けた。 米ダラス地区連銀のローガン総裁は、米連邦準備理事会(FRB)は今後も追加利下 げを行うと予想しており、FRBがバランスシートの縮小を進められない理由はないと の考えを示した。米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、向こう数四半期にわた り「緩やかな」利下げを予想しているとの見解を改めて示した。一方、米大統領選でト ランプ前大統領が勝利し、関税引き上げなどインフレにつながる政策が実施されるとの 見方から米国債の利回りが上昇し、米10年債利回りは4.26%と7月26日以来の 高値を付けた。米新規失業保険申請件数は、前週比1万5000件減の22万7000 件となった。事前予想は24万2000件。10月の米総合購買担当者景気指数(PM I)速報値は54.3と、9月の54.0から上昇した。ただ米FRBの利下げ見通し に変わりがなかった。 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏のインフレ率は低下傾向にある とし、予想より早くECBが目標とする2%に戻る可能性があると述べた。10月のユ ーロ圏HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は内外の需要が低迷し、 49.7と2カ月連続で節目の50を下回った。12月のECB理事会で50ベーシス ポイント(bp)利下げの見方も出ている。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は24日時点で 1082.43トンとなり、前週末比4.51トン増加した。米国で5.17トン、オ ーストラリアで0.04トン、南アで0.06トン増加、英GBSで0.42トン、英 ETFSで0.33トン減少した。欧米の利下げ見通しや中東情勢に対する懸念、米大 統領選の不透明感を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFT C)の建玉明細報告によると、10月15日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い 越しは28万6434枚となり、前週の27万8180枚から拡大した。今回は新規買 いが8603枚、新規売りが349枚出て8254枚買い越し幅を拡大した。 レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは、イスラム組織ハマスの最高指導者シンワル 氏がイスラエル軍に殺害されたことを受け、イスラエルとの戦争がさらにエスカレート した新たな段階に入ったと述べた。イランは「抵抗の精神が強化される」と述べ、武装 組織への支援を変化させる兆候を示していない。イスラエルのネタニヤフ首相は20 日、自身の私邸を標的としたとみられるヒズボラのドローン(無人機)攻撃を踏まえ、 安全保障担当の側近らと相次ぎ会合を開催し、イランへの報復攻撃を協議した。イラン 革命防衛隊(IRGC)のジャファリ司令官は、イスラエルはイランに対して「大規模 な行動」を起こす公算は小さいものの、限定的な攻撃を仕掛けてくる可能性があるとの 見方を示した。ブリンケン米国務長官は24日、米国とイスラエルの交渉団が近日中に カタールの首都ドーハで会合を開き、パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放に向け た交渉の再開を試みると明らかにした。またエジプト治安当局の代表が、カイロでパレ スチナのイスラム組織ハマスの代表団と会談したことが分かった。ガザ停戦交渉再開に 向けた取り組みの一環という。 【銀は金堅調につれ高】 銀の現物相場は金堅調を受けて2012年9月以来の高値34.85ドルを付けたの ち、米国債の利回り上昇などを受けて上げ一服となった。戻り高値を突破し、テクニカ ル面で強気である。欧州中央銀行(ECB)の50ベーシスポイント(BP)利下げの 見方が出るなど、欧米の利下げ見通しも支援要因である。また中国人民銀行は21日、 ローンプライムレートを引き下げており、景気刺激策に対する期待感が強い。当面は月 末の全国人民代表大会(全人代)で財政刺激策の規模が示されるかどうかを確認した い。 24日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比170.17ト ン増の1万4936.88トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の 建玉明細報告によると、10月15日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは 5万4032枚となり、前週の5万4715枚から縮小した。手じまい売りが買い戻し を上回った。 当面の予定(イベント・経済統計) 28日 ●ニュージーランド(勤労感謝の日) 貴金属取引 2024年10月限納会(大阪取引所) 香港貿易収支 2024年9月(香港統計局) 29日 ●トルコ(共和国宣言記念日) 貴金属取引 2025年10月限発会(大阪取引所) 労働力調査(失業率) 2024年9月(総務省) 米卸売在庫 2024年9月速報値(商務省) 米ケース・シラー住宅価格指数 2024年8月(S&P) 米消費者信頼感指数 2024年10月(カンファレンスボード) 30日 金融政策決定会合(日本銀行、31日まで) ユーロ圏国内総生産 2024年7-9月期速報(EUROSTAT) 独消費者物価指数 2024年10月速報(連邦統計庁) 全米雇用報告 2024年10月(ADP) 米国内総生産 2024年7-9月期速報値(商務省) 米中古住宅販売仮契約指数 2024年9月(全米不動産協会) 31日 鉱工業生産指数 2024年9月速報(経済産業省) 小売業販売額 2024年9月速報(経済産業省) 総裁記者会見(日本銀行) 中国製造業購買担当者景況指数 2024年10月(中国物流購買連合会) 中国非製造業購買担当者景況指数 2024年10月(中国物流購買連合会) ユーロ圏消費者物価指数 2024年10月速報(EUROSTAT) ユーロ圏雇用統計 2024年9月(EUROSTAT) 米個人所得・支出 2024年9月(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米雇用コスト指数 2024年7-9月期(労働省) 米シカゴ購買部協会景気指数 2024年10月(シカゴ購買部協会) 1日 ●フランス(万聖節) 中国製造業購買担当者景況指数 2024年10月(財新) 米雇用統計 2024年10月(労働省) 米製造業景況指数 2024年10月(ISM) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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