[11月18日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 10 月限 11 月 11 日〜 11 月 15 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 13,255 13,346 (11) 12,795 (15) 12,927 -327 銀 156.0 156.0 (11) 155.0 (12) 155.0 -3.0 プラチナ 4,849 4,875 (12) 4,657 (14) 4,707 -144 パラジウム 5,000 5,000 (11) 4,800 (13) 4,800 -300 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 15 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 2,570.1 -124.7 | ドル・円 156.18 3.48 円安 銀 (12) 3,043.2 -101.7 | 日経平均 38,642.91 -857.46 プラチナ ( 1) 945.1 -33.4 | NY原油 (12) 67.02 -3.36 パラジウム (12) 943.30 -48.90 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 15日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナはドル高で調整局面も株高や中国の刺激策が下支え、とした。 プラチナは米共和党が下院選で過半数を獲得し、トリプルレッドでドル高に振れたこ とや金軟調を受けて売り優勢となった。現物相場は9月9日以来の安値928.50ド ルを付けた。プラチナ先限は10月15日以来の安値4657円を付けた。一方、パラ ジウムの現物相場は9月9日以来の安値919.44ドルを付けた。 米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことに加え、上下両院を掌握 し、トリプルレッドとなった。トランプ次期政権が公約として掲げている追加関税や減 税、移民抑制をすべて実行するとの見方が強まった。トランプ次期大統領は中国に対す る強硬姿勢で知られるマルコ・ルビオ上院議員を国務長官に指名した。また「政府効率 化省(DOGE)」を新設し、そのトップに実業家イーロン・マスク氏を起用すると発 表した。実業家のヴィヴェック・ラマスワミ氏も協力するという。政府予算の約3分の 1に当たる少なくとも2兆ドルを、連邦政府の支出から減らすよう求めている。国家安 全保障担当の大統領補佐官にはマイク・ウォルツ下院議員、中央情報局(CIA)長官 には第1次トランプ政権で国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ氏を充てた。新政 権人事が次々と発表されており、各市場の反応を確認したい。 10月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%上昇した。家賃などの住居費 の上昇を背景に、伸びは前月の2.4%から加速した。ただ事前予想と一致したことで 12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しが強い。一方、10月の 米生産者物価指数(PPI)は同2.4%上昇した。前月の1.9%から伸びが加速 し、事前予想の2.3%を上回った。米新規失業保険申請件数は前週比4000件減の 21万7000件だった。事前予想は22万3000件。前週の小幅増から減少に転じ た。労働市場が引き続き好調であり、10月の急激な雇用の伸び減速は例外的だったこ とを示唆した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、経済情勢は「極めて良 好」で労働市場の状況は底堅いとし、米FRBは利下げを急ぐ必要はないという見解を 示した。市場では、来年の米FRBの利下げ回数が従来予想よりも少なくなるという見 方が強い。ただトランプ次期大統領の政策による経済への影響について、「実際の政策 を確認するまで答えは明らかではない」とした。 【欧米のプラチナ・パラジウムETF残高が増加】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、11日のロンドンで17.75トン (前週末17.25トン)、14日のニューヨークで33.85トン(同33.43ト ン)に増加、13日の南アで11.26トン(同11.38トン)に減少した。またパ ラジウムETFの現物保有高はロンドンで4.04トン(同4.02トン)、ニューヨ ークで13.87トン(同13.51トン)に増加、南アで0.24トン(同0.24 トン)と変わらずとなった。欧米のプラチナ・パラジウムETF残高が増加した。安値 拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告による と、11月5日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万9041 枚(前週3万5543枚)に縮小、パラジウムの売り越しは3667枚(同2453 枚)に拡大した。 【中国は財政刺激策の拡大を先送り】 中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、経済のシステミックリスクとなっ ている地方政府の「隠れ債務」について10兆元規模の対策を決定した。米大統領選で トランプ前大統領が勝利したが、今後発表される政策を確認してから刺激策を拡大する 見通しとなった。10月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年比0.3%上昇と前 月の0.4%から伸びが鈍化した。生産者物価指数(PPI)は同2.9%低下と前月 の2.8%低下から引き続き低下し、中国政府の最新の景気刺激策ではデフレ脱却には 不十分であることが示唆された。一方、10月の中国の小売売上高は前年比4.8%増 と前月の3.2%増や事前予想の3.8%増を上回った。景気刺激策の効果が出た。鉱 工業生産は同5.3%増となった。前月は5.4%増、事前予想は5.5%増。また上 海プラチナの出来高が増加し、中国勢の安値拾いの買いが入ったことは下支え要因であ る。 当面の予定(イベント・経済統計) 18日 機械受注 2024年9月(内閣府) ユーロ圏貿易収支 2024年9月(EUROSTAT) 対米証券投資 2024年9月(財務省) 19日 ユーロ圏国際収支 2024年9月(ECB) ユーロ圏消費者物価指数 2024年10月確報(EUROSTAT) 米住宅着工・許可件数 2024年10月(商務省) 20日 貿易収支 2024年10月速報(財務省) 独生産者物価指数 2024年10月(連邦統計庁) 英消費者物価指数 2024年10月(国立統計局) 英生産者物価指数 2024年10月(国立統計局) 21日 政策金利公表(南アフリカ準備銀行) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米製造業景況指数 2024年11月(フィラデルフィア連銀) 米中古住宅販売統計 2024年10月(全米不動産協会) 22日 消費者物価指数 2024年10月(総務省) 独国内総生産 2024年7-9月期確報(連邦統計庁) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年11月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年11月速報(Markit) 英小売売上高 2024年10月(国立統計局) 米消費者信頼感指数 2024年11月確報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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