金・銀午前=金が続伸、ウクライナに米兵器のロシア攻撃を許可

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【場況】
 金が続伸。円高を受けて売り優勢で始まった。その後は、円高一服やドル建て現物相
場の急伸を受けてプラスサイドに転じたが、買い戻し一巡後は上げ一服となった。銀は
夜間取引で先限が下落した。
 午前11時2分現在の前営業日比は、金標準が17円安〜8円高、金ミニが
152.5円安〜58.5円高、ゴールドスポットが249円高、銀が1.3円安。
 午前11時2分現在の出来高は、金が2万4122枚、金ミニが9967枚、ゴール
ドスポットが5075枚、銀が1枚。
【NY金は予想以上の米小売売上高が圧迫】
 金は予想以上の米小売売上高が圧迫要因になった。10月の米小売売上高は前月比
0.4%増加した。自動車や電化製品の堅調な売り上げが追い風となり、市場予想の
0.3%増を上回った。10月の米輸入物価指数は、前月比0.3%上昇だった。市場
予想は0.1%下落だった。予想外の上昇となり、ここ数カ月、インフレ抑制の進展が
見られないことを改めて示唆した。10月の米鉱工業生産指数は前月比0.3%低下
と、エコノミスト予想と一致した。米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、景気を刺
激も冷やしもしない中立金利の水準を巡る見解の相違がある場合、連邦準備理事会(F
RB)が利下げペースを鈍化させることは理にかなうと述べた。米ボストン地区連銀の
コリンズ総裁は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを実施すべき
かどうかを判断する前に、より多くのデータを見極めたいと述べた。
 中国の習近平国家主席は、ペルーの首都リマでバイデン米大統領と会談し、トランプ
次期政権と協力する意向を表明した。会談ではサイバー犯罪や貿易など主要な対立点が
取り上げられた。また石破茂首相との会談では、日本側に歴史や台湾など主要問題への
「適切な対応」を求めた。
 バイデン米政権は、ウクライナが米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを
許可した。方針転換は主に北朝鮮によるロシアのウクライナ戦線への派兵を受けた対応
という。ロシアはウクライナによる米国製兵器使用の制限が緩和されれば、重大なエス
カレーションと見なすと警告していた。
 JPX金は円高が圧迫要因になったが、下げ一服となった。7〜9月期の国内総生産
(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.2%
増え、2四半期連続のプラスとなった。年率換算では0.9%増。自動車や飲食料品な
どの消費が増えた。ただ植田日銀総裁の講演をきっかけに円高が一服した。
 金先限は夜間取引で10月16日以来の安値1万2750円を付けたのち、下げ一服
となり、1万3006円まで上昇した。ニューヨーク安と円高が圧迫要因になったが、
下げ一服となった。円相場は1ドル=154円前後で円高が一服した。銀先限は
153.7円に下落した。
【ドル建て現物相場】
 金のドル建て現物相場は、急伸。前週末の海外市場では、予想以上の米小売売上高を
受けて売り優勢となった。アジア市場では、朝方の2572.91ドルから、ユーロ高
や米政権がウクライナに米兵器を使用してロシア領内を攻撃することを許可したことを
受けて急伸した。
 午前11時現在、金が2585.60ドル、銀は3054セントで推移。前営業日の
大引け時点は金が2561.24ドル、銀が3031セント。

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