ドル円は157円台後半 日米の金融政策の違いでもう一段の上値期待も=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は157円台後半で推移している。一旦157円台半ばに値を落とす場面が見られたものの、売りが一巡すると直ぐに買い戻されている。下値では押し目買い意欲が強いようだ。年末ムードで様子見の雰囲気も強い中、ドル円は上値に慎重になっている印象もあるが、日米の金融政策への姿勢の違いから、もう一段の上値を期待する向きも多いようだ。 160円に接近すると介入警戒感も強まりそうだが、来週以降、2025年の相場に向けて海外勢の取引が活発化してくることも予想される中、160-165円へのレベルシフトを試す展開になるか注目される。 きょうは日銀が今月の決定会合の主な意見を公表し、トランプ次期政権の政策の影響を含めて、米経済動向への警戒感を指摘する声が目立っていた。ある委員は利上げを判断する局面は近いとしつつも、現段階では米経済の不確実性が一巡するのをしばらく注視する辛抱強さも必要だと語った。 市場では1月の利上げは見送られ、3月が有力視されている。短期金融市場では1月までなら40%程度、3月までなら70%程度での織り込みとなっている。 きょうのユーロドルはやや買い戻しが出ている中、1.04ドル台での推移。下げこそ一服しているものの買い戻しを強める動きまではなく、上値の重い展開に変化はない。 ユーロは短期的にユーロ圏と米国の金利格差拡大が予想されることから、ドルに対して回復するには時間がかかる可能性があるとの指摘も出ている。ストラテジストの予測によると、ユーロドルは来年前半は1.03ドルから1.06ドルのレンジで推移し、年後半には1.10ドルに向かって回復すると見ているようだ。 来年の夏までにユーロを後押しする可能性があるとすれば、ユーロ圏の成長改善の可能性、米経済の疲弊の兆候、トランプ次期大統領の政策の明確化などが挙げられると指摘。しかし、それまでにはかなり忍耐が必要だという。 ポンドドルは買い戻しが優勢となり、1.25ドル台後半まで戻している。ただ、目先の上値抵抗となっている1.26ドルには慎重なようで、ポンドドルは21日線の下での推移が続いている。 アナリストからは、英国の弱い見通しでポンドは回復に苦戦していると述べている。英国の経済見通しの悪化を背景に、対ドルでの最近の下落から回復に苦戦しているという。ポンドドルは9月に1.3435ドルのピークに達した後、下落基調が続き、200日線が来ている1.2825ドルを回復できていない。 長期の移動平均を上回る動きが見られないと安定化は難しく、1.2480ドルを下回ればさらなる下落リスクが高まり、1.20ドルの水準を視野に入れる可能性があると述べている。ポンドは対ユーロでは比較的良好なパフォーマンスを示しているが、これはユーロ圏の問題が英国よりも遥かに深刻だからだとも指摘した。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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