【前週のレビュー】ニューヨーク原油はダメ押しの「トランプ砲」もあって下げ幅を拡 大する展開。目先は底入れ待ちとなるが、その水準とタイミングに注目したいとした。 【NY原油は底入れ含み】 ニューヨーク原油はまだ明確に底入れが確認できたわけではないが、30日の日足が 安値から大きく戻して下ひげを付けたうえ、3月限は昨年9月10日の安値63.65 ドルから今年1月15日の高値79.39ドルまでの上げ幅の半値押し(71.72ド ル辺り)に近い水準を付けたことで、このまま戻せば、チャート上は目先の押し目底を 付けた可能性が出て来る。30日は29日の新月の1営業日でもある。なお本稿執筆時 点の31日午後現在で73ドル台前半で推移。 これまでのニューヨーク原油は棒下げという感じではないものの、下げ止まらない様 相となっていた。結果的には、75ドル以上での上値の重さを確認した印象が強まって いた。 ただ、直近はトランプ米大統領が実施を表明していたカナダとメキシコに対するそれ ぞれ25%の輸入関税が2月1日からいよいよ実際に実施される見込みになったため、 米国の原油や石油製品価格の上昇必至の見方から戻り歩調が鮮明になっている。 30日現在、トランプ米大統領の課税方針に変化はないようだが、原油に関しては、 「価格次第だ」と述べて、ややトーンダウンしており、関税対象から外す可能性も排除 できず、そのような報道があれば、強気筋がハシゴを外されて一転して急落というシナ リオなり得るので注意したい。 ちなみに米国はカナダ、メキシコ産ともに原油を輸入しているが、とくにカナダ産は 米国の原油輸入量の日量650万バレルの約62%を占める同400万バレルに及ぶ。 また米国の原油輸入量は同国自身の原油生産量のおよそ半分に当たるため、この追加関 税は米国のエネルギーコストを大きく押し上げるのは明らか。したがって最後に大どん でん返しもあり得るため、31日のトランプ米大統領の発言にはとくに注意したい。、 他の産油国側のニュースとしては、来月3日の石油輸出国機構(OPEC)プラスの 共同閣僚監視委員会(JMMC)が注目されそうだが、トランプ米大統領がOPECに 価格の引き下げを要求したが、現在のところOPECブラスの減産幅の減少(つまり増 産)は4月からに変更はないようだ。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は再び4万4000ドル台後半まで上 昇しており、過去最高値を再び伺う水準にある。 ドルインデックスは1月中旬以降、高値からの反落傾向が続いていたが、ここにきて 下げ渋り模様となり、107ポイント台中盤〜108ポイント辺りのもみ合いとなって いる。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である6月限は1月中旬の高値から下落トレンドが続いている。 31日にはボリンジャーバンドの−2シクマ(6万8990円辺り)に支えられる形 で、場中に割り込んだ7万円台を引けで回復した。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル】 ニューヨーク原油3月限は引き続き下落トレンドとなっているが、直近はボリンジャ ーバンドの−1シクマ(72.52ドル辺り)に支えられる形でそれを上回って引け た。 ブレント原油4月限は下落トレンドが続くなか、30日には75ドルの節目を試した 後、安値から大きく戻して、引けはボリンジャーバンドの−1シクマ(75.86ドル 辺り)水準だった。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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