【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における1月 28日時点の大口投機家の売り越しは365万4083枚となり、前週の356万 0777枚から拡大した。取組高合計は4598万4495枚となり、前週から59万 6989枚(1.3%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.7%増、債券 合計が2.0%増、為替合計が0.2%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 1.9%増、エネルギー合計は3.2%減、金属合計は2.6%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買い、買い戻しが 入って売り越しを縮小、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大した。為 替は買い戻しが手じまい売りを上回って売り越し(ドル買い)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、中国の新興AI開発企業ディープシークの新型モデル発表を受けてリスク回 避の動きが出た。米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが決定され、今 後の手掛かりは示されなかった。一方、トランプ米大統領の関税発言が目立ち、先行き 不透明感が残ったが、カナダ、メキシコ、中国からの輸入品に対する関税を2月1日に 発動するとした。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が959枚売り越し(前週1万4673枚売り 越し)、ユーロは6万6604枚売り越し(同6万2486枚売り越し)、英ポンドは 2万1672枚売り越し(同8257枚売り越し)となった。ユーロは手じまい売りが 買い戻しを上回って売り越しを拡大した。 商品市場では、原油がディープシーク・ショックや在庫増加、米関税発動の見方を受 けて売り優勢となった。金は米関税発動などに対する懸念を受けて買い優勢となり、史 上最高値2815.79ドルを付けた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が26万4126枚買い越し(前 週29万8847枚買い越し)に縮小した。手じまい売りが買い戻しを上回った。ニュ ーヨーク金は29万9409枚買い越し(同30万0784枚買い越し)、ニューヨー ク・プラチナは1万3373枚買い越し(同1万4608枚買い越し)に縮小した。金 は新規売りが新規買いを上回り、プラチナは手じまい売りが買い戻しを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが44万3875枚買い越し(前週39万 2923枚買い越し)、大豆は3万1351枚買い越し(同1万8549枚買い越し) に拡大した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は買い戻しが手じまい売りを上 回った。前週のコーンは、南米の天候不安が支援要因になったが、米関税発動の見方を 受けて戻りを売られた。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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