貴金属は、総じて上昇して寄り付く見通し。金はドル建て現物相場の上昇と円安を受 けて買い優勢となろう。銀はニューヨーク安を受けて軟調となろう。プラチナ系貴金属 (PGM)はプラチナがニューヨーク高と円安を受けて堅調となろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は12.19ドル高 の2898.08ドル、銀が20セント安の3180セント、プラチナが3.30ドル 高の982.91ドル、パラジウムは9.32ドル高の978.45ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=152.52/54円で、前営業日の 大引け時点から0.73円の円安。 先限の寄り付き目安は、金が1万4270円前後、銀は154.0円前後、プラチナ は4765円前後、パラジウムは5000円前後。 【NY金は一代高値更新が続く】 金はきのうの海外市場では、手じまい売り一巡後は米国の関税に対する懸念やドル安 を受けて押し目を買われた。 金はパレスチナ自治区ガザの停戦合意破棄に対する懸念を受けて一代高値を更新した のち、利食い売りが出て上げ一服となった。イスラム組織ハマスはイスラエルが停戦合 意に違反しているとして、人質の解放を延期した。トランプ米大統領は、ハマスが15 日の正午までに人質を全員解放しなければ、停戦合意は破棄され地獄を見ることになる と警告した。またイスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスが15日正午までに人質を解 放しなければ、ガザ停戦は終了し、イスラエル軍はハマスが敗北するまで攻撃を再開す ると述べた。ネタニヤフ首相の最後通告を受けて、ハマスは停戦への誓約を新たにする 声明を発表し、イスラエルが停戦を危険にさらしていると非難した。ガザ停戦の行方を 確認したい。 トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムに対する関税を25%へ大幅に引き上げ、主 要供給国であるカナダ、メキシコ、ブラジルなどへの適用除外措置と無関税枠を撤回し たことに対し、各国から反発する声が上がっており、貿易戦争に対する懸念が下支えに なった。 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、上院銀行委員会で証言し、利下げを 急ぐ必要はないと再表明した。経済は「総じて堅調」で失業率は低く、インフレはFR Bの目標である2%を依然上回っていると述べた。 銀はきのうの海外市場では、金に利食い売りが出たことを受けて戻りを売られた。 【NYプラチナはドル安が下支え】 プラチナはきのうの海外市場では、金軟調につれ安となったが、ドル安を受けて押し 目を買われた。 プラチナはドル安が下支えになった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長 は、上院銀行委員会で証言し、利下げを急ぐ必要はないと再表明した。ただ米国の関税 に対する懸念が上値を抑える要因である。米自動車大手フォード・モーターのジム・フ ァーリー最高経営責任者(CEO)は、トランプ大統領が米自動車業界の強化を目指し ていると確信しつつも、関税措置によって「多大なコストと混乱」が生じるという認識 を示した。中国勢の買い見送りが続いていることも上値を抑える要因である。 <今日の予定> ・米消費者物価指数 2025年1月(労働省) ・米財政収支 2025年1月(財務省) MINKABU PRESS 東海林勇行
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。