【これからの見通し】トランプ関税でリスク回避、日本に円高圧力

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】トランプ関税でリスク回避、日本に円高圧力

 トランプ関税で市場にはリスク回避の動きが広がっている。日本時間午前5時の定例的な会見で予定通りカナダとメキシコに25%の関税、中国に計20%の追加関税発効を明言した。日本と中国に関しては通貨安政策をとっていると攻撃、日本に対しても関税賦課をちらつかせている。あす日本時間午前11時頃からはトランプ演説が予定されており、新政権発足から1カ月余りでの成果?が示されそうだ。

 米株が急落、今日の日本株も大幅安。金融市場が望む「安定」からは程通い状況になっている。ただ、現時点ではフラッシュクラッシュ連鎖には陥らず、動き一巡後には再び買いが湧いてくる期待もある。きょうの上海・香港株はあすからの全人代への期待もあって買い戻されている。トランプ大統領も貿易相手を徹底的に叩きのめすのではなく、米国に有利が条件を引き出すために脅しをかけていると信じたいところだ。

 ただ、新たに円安に対して苦言を呈したことで、ドル円相場は改めて下値を模索する可能性には注意したい。本邦長期債動向、インフレなどのファンダメンタルズ指標、賃金動向など日銀追加利上げの芽は多く出てきている。植田日銀総裁や三村財務官などの当局者発言に対する市場反応にも偏りが出てくる可能性を留意しておきたい。

 このあとの海外市場で発表される経済市場は、フランス財政収支(1月)、南アフリカ実質GDP(2024年 第4四半期)、ユーロ圏雇用統計(1月)など比較的小粒のものにとどまっている。あすのADP雇用統計、ISM非製造業景気指数、木曜日の失業保険申請件数、単位労働費用、そして金曜日の雇用統計と一連の米雇用関連指標待ちとなりそうだ。

 発言イベント関連はNY終盤まで目立った予定はみられない。それもウィリアムズNY連銀総裁がブルームバーグ主催イベントに出席するくらいだ。日本時間明日午前のトランプ演説や中国の全人代などを控えて待ちの時間が続きそうだ。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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