きょうのNY為替市場、ドル円は149円台前半に伸び悩んだ。本日のドル円は、今週の中銀のイベントを前に円ロングの巻き戻しが断続的に観測され、節目の150円を試す動きも出ていた。ただ、150円に接近するとオプション勢などの戻り待ちの売りも観測され、いまのところ上値を止められている状況。明日の日銀決定会合とFOMCを受けて150円を突破しに行くか、それとも一旦後退するか、短期的には重要な分岐点となる。 一部では今週の日銀決定会合で植田総裁が利上げに慎重姿勢を示すのではとの見方も出ている。米景気への先行き不透明感が高まっている中、トランプ政権の貿易政策による世界経済への影響を見極めたい意向を滲ませるのではとの見方もあるようだ。7月か9月の追加利上げの市場コンセンサスに変化はないが、内容次第では、それより前の5月や6月の可能性はさらに後退する可能性もありそうだ。 FOMCは据え置きが確実視されているが、今回は委員の金利見通し(ドットプロット)が公表され、注目を集めそうだ。市場では年内2回以上の利下げを見込んでおり、その予想に沿った内容になるのか注目される。 米景気の先行き不安が台頭しているが、一部からはFRBの救済「フェド・プット」を期待する声も少なくない。しかし、現状の高インフレの粘着性から、それさえも希望的観測に過ぎないのかもしれないとの声も出ている。今年「2回か3回の利下げ」という市場の期待にFRBが応えられないリスクを留意すべきとの指摘も出ている。 ユーロドルは伸び悩む展開が見られ、一時1.09ドルを割り込む場面も見られたが、終盤にドル安が優勢となり、1.09ドル台半ばに戻している。節目の1.10ドルを前にやや上値が重くなって来ているが、上値追いの流れには変化はない。 米国からの資金流出が言われる中、ユーロがリスク回避通貨に変化するのではとの声も出ている。最近、市場で新たなテーマとなっているのは、米株から欧州株への資本の移動で、これが本格化するようであれば、その可能性も高まる。 ユーロドルとS&P500の正の相関関係が崩れつつあり、現在のペースで推移すれば、間もなくマイナスになりそうだという。そうなれば、かつてのようなリスク回避通貨として位置づけられることになるという。 ポンドドルは1.30ドル台に上昇。引き続きドルの軟調な展開がポンドドルの買戻しを下支えしている。市場では、英金利が今年も主要国の中で比較的高い水準に留まるとの見方が浮上していることもポンドをサポート。 英中銀は今週の金融政策委員会(MPC)で、政策金利を4.50%に据え置く見通し。インフレ上昇と地政学的な不透明感が、漸進的な緩和を後押ししている。短期金融市場では年内2回の利下げに対し、FRBは2-3回の利下げを織り込んでいる。FRBも今週は政策金利を4.50%で据え置くと予想されている。 先週発表の1月の英月次GDPは予想外のマイナスだったが、政府が計画する大型インフラ支出が成長を支えるとの期待もある。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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