【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における3月 25日時点の大口投機家の売り越しは413万4686枚となり、前週の402万 3533枚から拡大した。取組高合計は4538万2035枚となり、前週から101 万6638枚(2.2%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が19.4%減、債 券合計が1.9%減、為替合計が1.6%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計 が2.2%増、エネルギー合計は1.1%増、金属合計は0.8%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売り、新規売 りが出て売り越しに転じ、債券で買い戻しが手じまい売りを上回って売り越しを縮小し た。為替は新規買い、買い戻しが入って買い越し(ドル売り)に転じた。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、トランプ米大統領が自動車関税を発表し、貿易戦争に対する懸念が強い。米 国は4月2日に相互関税を発動する方針である。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が12万5376枚買い越し(前週12万 2964枚買い越し)、ユーロは6万5525枚買い越し(同5万9425枚買い越 し)、英ポンドは4万4283枚買い越し(同2万9402枚買い越し)となった。ユ ーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油がトランプ米大統領がベネズエラから石油やガスを輸入する国に 対し、25%の関税を課すと表明したことなどを受けて買い優勢となった。金は貿易戦 争に対する懸念を受けて史上最高値を更新した。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が18万0558枚買い越し(前 週16万6823枚買い越し)に拡大した。新規買い、買い戻しが入った。ニューヨー ク金は24万9796枚買い越し(同25万7932枚買い越し)、ニューヨーク・プ ラチナは1万3558枚買い越し(同2万0507枚買い越し)に縮小した。金、プラ チナともに手じまい売り、新規売りが出た。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが20万0371枚買い越し(前週23万 9376枚買い越し)に縮小、大豆は1万4410枚売り越し(同8277枚売り越 し)に拡大した。コーン、大豆ともに手じまい売り、新規売りが出た。前週のコーン は、米国産作付面積の拡大観測などを受けて売り優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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