円買い優勢、欧州株反発も勢い欠く 関税めぐる不透明感は継続=ロンドン為替概況 ロンドン市場では、円買いが優勢。この日はようやく世界的な株価の急落が一服している。日経平均が一時2000円超高となったほか、アジア株も総じて反発した。欧州株や米株先物・時間外取引もその例にもれず反発している。ただ、足元では欧州株は上げ幅を縮小しており、前日の急落を戻すには至っていない。米債利回りは小幅に低下、NY原油先物も再び上値を抑えられている。欧州は米国に対して工業製品の関税をお互いにゼロにすることを提案したが、市場ではその実現性は低く、あくまでも交渉の材料とみているようだ。デギンドスECB副総裁からは、不安と不確実性の中にいるとの認識が示された。ナーゲル独連銀総裁は、金融市場の変動は続くだろうと発言。あすの米関税発動は確実に実施される情勢となっており、安心できない状況は続きそうだ。ドル円は上値重く推移しており、146円台後半へと安値を広げている。ユーロ円は160円台半ば、ポンド円は187円台前半へと下押しされている。ユーロドルは1.09台での振幅で、ロンドン時間には上値重く推移。ポンドドルは1.27台で売買が交錯している。 ドル円は146円台後半での取引。この日は売買が交錯しながらも上値重く推移している。東京朝方の148.12近辺を高値に軟調な流れとなっており、ロンドン午前には安値を146.70台まで広げてきている。欧州株は反発しているものの、前日の急落を戻すには至らず。やや上げ幅を縮小してきている。 ユーロドルは1.09台前半での取引。この日は上に往って来いとなっている。東京早朝の1.0905近辺を安値に、ロンドン朝方には1.0992近辺まで買われた。しかし、ロンドン時間には上値が重くなっており、再び1.09台前半へと戻している。ユーロ円は東京市場で161円台前半から162円台乗せへと買われたが、ロンドン時間には軟調な流れが続いている。足元では安値を160.50割れまで広げている。対ポンドでは上に往って来いと方向感に欠ける動き。あすのトランプ相互関税発動を控えて、まだ好転の兆しはみられていない。 ポンドドルは1.27台後半での取引。東京市場で1.2721近辺から1.2796近辺まで上昇したあとは、ロンドン序盤に再び1.2720台まで反落した。その後は下げも一服し売買が交錯している。ポンド円は東京市場で188円付近から189円手前水準まで買われたが、ロンドン市場では売りに押されている。足元では安値を187.20台まで広げた。ユーロポンドは0.8561から0.8595までのレンジで上下動。ややポンド買いが優勢となる程度。リーブス英財務相は、まもなくベッセント米財務長官に会う予定だ、と述べている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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