【場況】 金が大幅反落。ニューヨーク金は反発したが1ドル=145円台への円高を受けて売 り優勢で始まった。その後もドル建て現物相場の下落が重石となって値を落とした後に 下値を切り上げた。一時、300円超の下落となっていたが、期先は180円超の下落 まで下値を切り上げている。 銀はまちまち。 午前11時2分現在の前営業日比は、金標準が315〜190円安、金ミニが 370〜209円安、ゴールドスポットが278円高、銀が8.2円安〜 0.1円高。 午前11時2分現在の出来高は、金が3万3942枚、金ミニが1万5665枚、ゴ ールドスポットが2781枚、銀が6枚。 【NY金は逃避買い需要が買いを支援】 金は米中貿易戦争に対する警戒感から反発した。中国財政省が10日から米国から輸 入する全ての製品に34%の追加関税を課すとの報復措置を発表したことに対し、米 トランプ政権は中国からの輸入品に対する関税を104%まで引き上げると発表。 中国側は米関税引き上げに最後まで付き合うとして対抗する姿勢を見せていることで、 米中貿易戦争の激化が警戒されている。 米トランプ政権の関税政策はその後の交渉で譲歩を行うなど、関税の引き上げを発表 した後に交渉を行い、その交渉の内容次第で発表した関税の内容に修正を行う動きを繰 り返している。ただ、中国がその交渉の可能性に否定的な姿勢を見せていることに加 え、交渉がまとまるまでの間の貿易遅延、さらには今後の関税政策に対する警戒感から 企業による設備投資が滞るほか、関税が引き上げられた場合には消費活動が停滞する 恐れが高まる。米国発のリスクだけに、関税引き上げによる米国内のスタグフレーショ ン発生が警戒されるなか、安全資産を求める動きは米国の資産から他の安全資産を求め る動きが促されている。 金先限は3月12日以来の安値1万3985円を付けたのち、下げ一服となり、1万 4179円まで戻した。145円台の円高が圧迫要因になった。円相場は1ドル= 145.30円台で円高が一服し、その後は145円台後半で推移。銀先限は140. 2円を付けた。 【ドル建て現物相場】 ドル建て現物相場はニューヨーク金の引け後はリスク回避の動きが強まり、売り優勢 となった。アジア市場では、朝方に2970.54ドルの安値をつけた。その後、29 80ドル台に戻し、いったん2975ドル台に押し目を形成。午前10時半頃から急速 に地合いを引き締め、3000ドル台を回復し、3008ドル台まで反騰。東京時間の 午前中だが、ユーロ高、ドル安が支援材料。 午前11時現在、3008.82ドル、銀は2989セントで推移。前営業日の 大引け時点は金が3013.56ドル、銀が3008セント。 MINKABU PRESS
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