きょうの為替市場でドル円は再び下値模索となり、一時142円割れをうかがう展開も見せていた。ドル安が続いているほか、本日はトランプ政権によるエヌビディアの中国向け輸出に対する規制によるリスク回避の円高も加わっているようだ。 トランプ関税の緩和措置への期待もあり、市場は落ち着きを取り戻しているものの、改善しているわけではない。貿易戦争に対する懸念から米資産への需要が落ち込み、一時的な回復後にドルは再び下落。貿易紛争に収束の兆しが見られない中、ドルはG10通貨のほぼ全てに対して下落している状況。ストラテジストは「不確実性と関税強化の議論は、米資産からのリスク回避、つまりドル売りを促している」と指摘している。 ドル円は142円に強い下値サポートが観測されているが、その水準を完全にブレイクするようなら「140円までは早い」との指摘も出ている。 本日は日本時間の午前2時半頃からパウエルFRB議長の講演が予定されている。追加利下げに対する慎重姿勢に変化はないものと見られているが、米国債が過度に不安定な動きをするようであれば、FRBが介入するとの観測も流れている。その辺のヒントが何か出るか注目される。 赤沢経済再生相が本日からワシントンを訪問し、ベッセント財務長官やグリアUSTR代表と協議を行う予定となっている。市場も成り行きを注目しているが、その協議にトランプ大統領が「自身も出席する」と述べていた。超厚遇?のようだ。 トランプ政権は、日本やその他の軍事同盟国と合意に達し、中国に対する経済的圧力をかけるための共同の取り組みを行うことを想定している。 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。 16日(水) 141.00(5.3億ドル) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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