きょうの為替市場は再びドル安が優勢となっており、ドル円は141円台に伸び悩んでいる。東京時間の早朝には一時143円台まで急上昇する場面が見られたものの、海外市場にかけて戻り売りに押されている。 トランプ大統領とベッセント米財務長官の発言を受けてドル円は買われていた。トランプ大統領がパウエルFRBの解任計画を否定。ベッセント財務長官が前日に「関税を巡る中国との対立は長くは続かず、緩和していく見通しだ」と述べていたことも引き続き米中貿易摩擦の緩和への楽観的ムードを後押ししている。 パウエルFRB議長の解任については、法律上ほぼ不可能で、実際の可能性はゼロと考えられていた。しかし、トランプ関税をきっかけとした米国離れに市場の焦点があたる中で、ドル売りの理由を探していた投資家が敏感に反応していたものと思われる。FRB議長は職務不能の状態や違法行為が立証された場合など、よほどの事がなければ解任できない。 しかし、ドル安は根強い。今回のトランプ関税など世界貿易の混乱で、今後、外貨準備や投資家はドル資産の保有に慎重になると見られている。外貨準備は保有ポジションの概ね6割がドルだが、そのウェートは今後減少してくるのではとの観測もあるようだ。 本日からG20とG7の財務相・中央銀行総裁会議がワシントンで始まる。米国による高関税措置が世界経済に与える影響や自由貿易体制の重要性などが主要な論点となる。ドル安も協議との観測も出ているようだ。その中で明日、日米財務相会談が開かれる見通しとなっているが、共同声明などは出ない可能性が高いとの観測も出ている。 一部からは、安定化への期待が剝落すればドル円は下落するとの見方も出ているようだが、ドル円の下値では高水準に積み上がった円ロングの巻き戻しが活発化するとも見られており、日米財務相会談は逆に、円ロングの巻き戻し(ドル円上昇)を誘うイベントになりやすいとの指摘も出ている。 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。 23日(水) 現行付近にはなし 24日(木) 140.00(18.3億ドル) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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