【これからの見通し】極端な値動きは一服も、市場の不透明感は払しょくされず

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】極端な値動きは一服も、市場の不透明感は払しょくされず

 トランプ通商政策をめぐる不安定な相場が続いている。きょうの加藤財務相とベッセント米財務長官の会合が注目されているが、現時点では市場が不安視していたような米国からの円安是正要求はみられていない。昨日はベッセント長官が米国は引き続きドル高政策を堅持との建前論を語っていた。ただ、米国の対日貿易赤字の解消という命題を掲げている限りは、為替問題で何らかの要求はありそうだ。まだ安心はできない。

 トランプ大統領の不規則発言が続いている。パウエルFRB議長の解任に関する発言がその典型的な例となっている。また、中国との貿易戦争については、一部関税を大幅に引き下げる用意があるとし、市場はこれを好感していた。しかし、あくまでも中国次第だ、としておりEUや中国を敵対視する姿勢には変わりはないようだ。市場の不安感は払しょくしきれていない。

 今週のドル円相場は143円台を回復する場面が連日みられている。しかし、それ以上の円安・ドル高の動きは阻まれており、依然として円高方向への圧力が残っている。きょうは米株先物・時間外取引が軟調に推移している。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス消費者信頼感指数(4月)、ドイツIfo景況感指数(4月)、トルコ設備稼働率(4月)、南ア生産者物価指数(PPI)(3月)、米耐久財受注(速報値)(3月)、米新規失業保険申請件数(04/13 - 04/19)、米中古住宅販売件数(3月)などが予定されている。

 発言イベント関連では、日米財務相会合、G20財務相中銀総裁会議(ワシントン、~24日)、IMF世銀春季会合(ワシントン、~26日)と注目イベントが目白押しとなっている。個別では、ナーゲル独連銀総裁、ロンバルデッリ英中銀副総裁、レーンECBチーフエコノミスト、シムカス・リトアニア中銀総裁、レーン・フィンランド中銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などの講演やイベント出席が予定されている。米7年債入札(440億ドル)が実施される。米企業決算はたけなわで、きょうはペプシコ、P&G、アルファベット、インテル、コムキャスト、Tモバイル、メルク、ブリストルマイヤーズスクイブなどが注目される。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。