【これからの見通し】米中貿易戦争に緩和期待、日米財務相会談無難に通過、週末ポジション調整に注意

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】米中貿易戦争に緩和期待、日米財務相会談無難に通過、週末ポジション調整に注意

 今週は引き続きトランプ通商政策が市場の主要テーマとなっている。G20財務相・中央銀行総裁会合や日米財務相会談などの重要なイベントが行われた。米中貿易戦争については、トランプ大統領がボールは中国にあると相手側の譲歩を求めたのに対し、中国側は米国との交渉を否定し態度を硬化させた。しかし、ウォールストリートジャーナルがトランプ政権が中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き下げることを検討、と報じている。現在の145%を50%から65%程度にまで引き下げる案が出ているという。

 また、米国からの円安是正要求が警戒された日米財務相会談については、米側は特定の為替目標は設定しないとした。日本からは加藤財務相が会談後の会見で、「米国から為替目標や管理の枠組みなどの話はなかった」と述べた。円高リスクについては現時点では杞憂に終わった格好となっている。

 トランプ大統領が世界に仕掛けた貿易戦争の本質は米貿易赤字の解消であり、これに改善の動きが確認されなければ、依然として不規則かつ理不尽な要求は続くとみられる。

 ただ、今週末を控えた足元のマーケットでは、ポジション調整圧力が強まる可能性が指摘されそうだ。ドル円はロンドン市場で144円台を試す動きが想定される。ドル相場は米国売りを背景としたドル売りに調整が入る可能性がありそうだ。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、ロシア中銀政策金利(4月)、ブラジル拡大消費者物価指数(IPCA)(4月)、カナダ小売売上高(2月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(4月)など。先ほど発表された英小売売上高(3月)はトランプ関税を控えた駆け込み需要もあって予想ギアに強含んでいた。一方、2月カナダ小売売上高はデータが古いこともあり、前月比、自動車除く前月比がいずれもマイナスとなる予想になっている。

 発言イベント関連では、シュレーゲル・スイス中銀総裁、ブレマン・スウェーデン中銀副総裁、グリーン英中銀委員などの講演が予定されている。週末から米金融当局が金融政策や政策見通しに関する発言を手控える「ブラックアウト期間」に入る。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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