石油週間見通し=NY原油は65ドルが目標、イラン交渉やOPEC増産注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油はもみ合い後に戻り高値を更新する展開。6月限
は65ドルの節目とそれに近い半値戻し(65.09ドル辺り)が目先の上値目標にな
るが、有事がなければ、そのエリアがひとまず強い上値抵抗となる可能性が高いとし
た。

【NY原油は半値戻しの65ドルが引き続き上値目標】
 ニューヨーク原油6月限は23日に64.87ドルの高値を付けた後に反落してい
る。前回の当欄で記した65ドルの節目とそれに近い半値戻し(65.09ドル辺り)
をほぼ達成後に反落した形。翌24日にはすぐに反発しており、本稿執筆時の25日午
後時点では63ドル台前半で推移している。次の65ドル試し場面ではそのまま上抜け
る可能性もありそうだ。

 材料的には、トランプ米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の解任の
意向がないことを明らかにして、また中国に対する強硬姿勢がややトーンダウンしてき
たことで、米株がもち直すなかドル安傾向は続いていることで、原油にとってはともに
支援材料となっている。
 また、これから5月にかけて、主要テーマになりそうな米国とイランの関係だが、
26日に両国でイランの核開発をめぐる3回目の高官協議を開く予定。それを前にし
て、イランのアラグチ外相が北京で中国の王毅外相と会談して、核開発めぐる米国との
協議に連携して対応していく方針を確認したことが報じられている。
 問題は米国側が求めている2カ月の期限内での最終合意に対して、イラン側はそれは
無理として暫定合意を提案していること。それを米国側が飲むのかあるいは撥ねつける
のかで、そのあと5月の中東の地政学的リスクが大きく変わりそうなので注意したい。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は直近戻し4万ドル水準まで反発して
いる。
 ドルインデックスは100ポイント台割れが続き、ドル安の流れに変化はない。

【OPECプラス、6月に増産をさらに拡大したい意向】
 産油国側のニュースとしては、石油輸出国機構(OPEC)プラスの複数の加盟国
が、6月に原油生産のさらに拡大を提案する見通しであることが報道されている。
 すでに有志8カ国で5月から日量41万1000バレル生産を拡大することで合意し
ているが、一部加盟国は6月も同程度の拡大を希望しているという。
 なお、有志8カ国は5月5日に会合を開き、6月の生産計画を決定する予定。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である9月限は戻り基調も、21日移動平均線でもあるボリンジャ
ーバンドの中心線(5万8890円辺り)には届かない5万8000円台前半で上値づ
かえの様相。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油6月限は戻り基調もひとまず65ドルの節目やボリンジャーバンド
の中心線(64.25ドル辺り)に跳ね返された。

 ブレント原油6月限も同様にボリンジャーバンドの中心線(68.07ドル辺り)に
ひとまず跳ね返された。。

<当面の予定>
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