【前週のレビュー】ニューヨーク原油6月限のここまでの高値は8日の60.29ドル と、まだ半値戻し(60.63ドル辺り)には達していない。一段高となればそれは十 分に達成できる状況だが、13日が満月のため、上抜ければその辺りで目先の戻り高値 を付ける可能性も考えておきたいとした。 【NY原油は60ドルを割り込まずに反発】 ニューヨーク原油6月限は20日に納会するため、7月限が指標限月となる。その7 月限は満月だった13日に63.44ドルの高値を付けたあと反落する展開となってい る。15日には60.08ドルまで急落したが、その安値からは大きく戻しており、本 稿執筆時の16日午後時点では、61ドル台後半から62ドル台に乗せてきた。このま ま60ドル台割れを回避して戻して、前述の高値を抜けるのか否かに目先は注目した い。 材料的には、米中双方の追加関税の引き下げ合意で戻す展開となっていたが、すぐに 上値づかえとなり、15日の急落場面では、イランの核兵器開発を巡る米国とイランと の合意が近いという報道で、イラン産の供給圧力が増すとの見方が圧迫要因となった。 中東訪問中のトランプ米大統領がイランとの核合意が非常に近づいているとの認識を示 した。 ただその日のうちに安値から切り返すなど、相変わらず荒い値動きとなっている。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はおおむね戻す展開が続いており、4 万2000ドル台を回復した。 ドルインデックスは100ポイント台は維持しているものの、5月上旬の上げは一服 して上値が重くなってきている。 【今年の世界石油需給、需要より供給の伸びが大きい=IEA】 15日の国際エネルギー機関(IEA)の月報によると、2025年の世界石油需要 の伸びは日量74万バレルと、前月より約2万バレル上方修正された。 ただ、逆に2025年の世界供給の伸びは同160万バレルと、同38万バレル上方 修正しており、需要以上に供給が伸びると予想している。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である10月限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの 中心線(5万6070円辺り)から2シグマ(5万8870円辺り)の間で上昇後に反 落とほぼ「往って来い」の展開。直近は中心線を試している。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油7月限はボリンジャーバンドの2シグマ(60.79ドル辺り)に は届かずに反落して、直近ははボリンジャーバンドの中心線(60.60ドル辺り)を 試した後に下ひげを付けた。 ブレント原油7月限もほぼ同様の高下となり、直近はボリンジャーバンドの中心線 (64.07ドル辺り)を試している。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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