[5月19日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 4 月限 5 月 12 日〜 5 月 16 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 15,624 15,712 (12) 14,758 (15) 15,100 -518 銀 155.3 158.0 (13) 155.0 (15) 155.0 -0.3 プラチナ 4,448 4,546 (14) 4,422 (12) 4,473 +41 パラジウム 4,500 4,500 (12) 4,500 (12) 4,500 +100 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 15 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 6) 3,226.6 -117.4 | ドル・円 145.14 0.14 円高 銀 ( 7) 3,268.0 -23.4 | 日経平均 37,753.72 +250.39 プラチナ ( 7) 995.4 -6.2 | NY原油 ( 6) 61.62 +0.60 パラジウム ( 6) 967.00 -14.50 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 15日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は週末の米中協議を確認、とした。 金は米中の貿易合意を受けて売り優勢となったが、軟調な米経済指標を受けて景気減 速懸念が高まると安値拾いの買いが入って下げ一服となった。現物相場は4月10日以 来の安値3123.56ドルを付けたのち、下げ一服となった。金先限は4月11日以 来の安値1万4758円を付けたのち、下げ一服となった。 ベセント米財務長官は、スイスのジュネーブで行われた米中の貿易問題を巡る閣僚級 協議で2国間の貿易戦争の緩和に向けて「大きな進展」があったと述べた。米中は相互 に発動した関税率を115%ポイント引き下げることで合意したと発表した。上乗せ分 の90日間の停止、経済・貿易関係に関する協議メカニズムの構築も打ち出した。中国 はレアアース(希土類)および軍事用途の他製品・技術の輸出を米国の28組織に対し て制限していた措置を一時的に停止した。また米国と各国の貿易協議で通貨政策の約束 を盛り込もうとはしていないと伝えられた。 4月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.3%上昇した。伸びは3月の2.4 %から鈍化し、2021年2月以来の低水準となった。米小売売上高は前月比0.1% 増加した。米関税措置発表前にみられた自動車購入前倒しの動きによる効果が薄れ、伸 びは前月から減速した。米生産者物価指数(PPI)は前年比2.4%上昇した。伸び は前月の3.4%から減速、市場予想の2.5%も下回った。米製造業生産指数は前月 比0.4%低下した。市場予想は0.2%低下だった。自動車生産の急激な落ち込みを 背景に、予想以上に低下した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はここ数年の インフレ動向や、今後数年間に供給ショックとそれに伴う価格上昇が頻繁に起こる可能 性を踏まえ、現在の金融政策アプローチにおいて雇用とインフレを巡る重要要素を再検 討する必要があるとの認識を示した。 【金ETF残高は減少】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は15日時点で 1120.72トンとなり、前週末比6.24トン減少した。米国で6.02トン、英 GBSで0.03トン、英ETFSで0.19トン減少した。米中の貿易合意などを受 けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告に よると、5月6日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万2497枚と なり、前週の16万3318枚から縮小した。今回は手じまい売りが2932枚、買い 戻しが2111枚入り、821枚買い越し幅を縮小した。 ウクライナのゼレンスキー大統領はアンカラを訪問し、トルコのエルドアン大統領と 会談した。記者会見で、ロシアが「お飾り」の要員を派遣したことは、プーチン氏が戦 争終結に真剣ではないことを示していると非難した。ゼレンスキー大統領は、イスタン ブールで予定されている協議でウクライナとロシアが停戦に合意すれば、自身が直接ロ シアのプーチン大統領と会談する必要はないと述べた。ルビオ米国務長官は、ロシア・ ウクライナ戦争終結に向けた取り組みで突破口を開くには、トランプ米大統領とロシア のプーチン大統領による直接協議しかないと述べた。 【銀は金軟調も貿易摩擦の緩和期待が下支え】 銀の現物相場は金軟調を受けて4月11日以来の安値31.64ドルを付けたのち、 軟調な米経済指標を受けて下げ一服となった。米中の貿易合意を受けて貿易摩擦の緩和 期待が高まったことも下支え要因である。米国と各国の貿易協議の行方を確認したい。 15日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比49.49ト ン減の1万3971.47トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の 建玉明細報告によると、5月6日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは4万 9252枚となり、前週の4万9943枚から縮小した。新規売りが新規買いを上回っ た。 当面の予定(イベント・経済統計) 19日 ●カナダ(ビクトリア女王誕生日) 中国住宅価格指数 2025年4月(国家統計局) 中国小売売上高 2025年4月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2025年4月(国家統計局) ユーロ圏消費者物価指数 2025年4月確報(EUROSTAT) 20日 キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行) 独生産者物価指数 2025年4月(連邦統計庁) ユーロ圏国際収支 2025年3月(ECB) 21日 貿易収支 2025年4月速報(財務省) 英消費者物価指数 2025年4月(国立統計局) 22日 機械受注 2025年3月(内閣府) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年5月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年5月速報(Markit) 独景況感指数 2025年5月(ifo) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米中古住宅販売統計 2025年4月(全米不動産協会) 23日 消費者物価指数 2025年4月(総務省) 独国内総生産 2025年1-3月期確報(連邦統計庁) 英小売売上高 2025年4月(国立統計局) 米新築住宅販売 2025年4月(商務省) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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