ゴム週間見通し=調整場面に移行、米中貿易協議が焦点

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】米中通商協議が進展すれば、ゴム相場は戻り場面が継続すると
した。
【調整場面】
 JPXゴムRSS3号は、買いが先行した。米中通商協議の進展に伴い、90日間の追
加関税引き下げが決定され、地合いは引き締まった。活発限月の10月限は、14日ま
で10連騰となった。ただ、その後は調整場面に移行している。米中通商協議が進展し
たことで、目先の強材料が出尽くしとなり、今後は10連騰に対する調整場面になると
みる。
 なお、ロシアとウクライナの停戦をめぐる高官級の直接協議が、トルコのイスタンブ
ールで行われる見通しとなっている。現時点では、停戦の可能性は低いとみるが、停戦
に向けて双方の歩み寄りが確認されれば、株式市場にとって好材料であり、株高から天
然ゴム市場にも買いが入るとみる。
【中国自動車販売は好調】
 12日、中国汽車工業協会が発表した4月の新車販売は、前年同月比9.8%増の2
59万台となった。このうち国内向けは11.7%増の207万3000台、輸出は
2.6%増の51万7000台だった。4月は上海自動車ショーが開催されたこともあ
り、新型車の投入が多かった。また、補助金支給など政府の購入支援策もあり、販売増
につながった。
 なお、1〜4月の累計は、新車販売が前年同期比10.8%増の1006万台とな
り、国内販売は同12%増の812万3000台、輸出は6%増の193万7000台
となった。
【上海ゴムはレンジ相場から上放れ】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、4月中旬から続いた1万4500〜1万5000元
前後のレンジ相場から上放れた。13日の夜間取引を1万5240元で終えると、14
日の日中取引では、1万5310元まで水準を引き上げた。同日の終値は、1万515
5元となり、終値ベースでも1万5000元を上抜いた。翌15日の取引をみても、節
目の1万5000元前後では、押し目買いが入っている。目先、節目の1万5500元
や1万6000元を意識した展開になるとみる。
【東京ゴム活発限月の10月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の10月限は、買いが先行している。4月からの値動きを
みると、4月2日(日本時間3日午前5時)に発表された米トランプ政権の相互関税を
嫌気して3日から急落、9日には290.0円まで下落した。14日に303.8円ま
で戻したが、買いは続かずに23日285.0円の一代の安値を付けた。その後は、2
85〜295円前後で強もちあいとなっていたが、4月28日から10連騰となり、
5月15日には320.5円まで上昇した。だが、節目の320円付近では売り圧力が
強く、同日は11営業日ぶりの下落となった。その後、315円を中心にもみ合いとな
っている。
 再び地合いを引き締めると、15日の高値320.5円が最初の関門。高値更新とな
れば、買いが優勢となれば、現状、特に目立った抵抗線が見当たらないことから、節目
の325円や330円を意識した展開になるとみる。一方、下落となれば、15日の安
値313.0円付近や節目の310円前後が支持になる。同水準を割り込むと、4月2
3日に付けた一代の安値285.0円から今日の高値320.5円まで上昇の38.
2%押しとなる306.9円付近や節目の300円が意識される。
【今週の注目ポイント】
 上海ゴムに注目したい。中心限月の9月限は、レンジから上放れた。ただ、上海ゴム
は、ダマシも多い。1万5000元前後での押し目買い意欲の強さが継続するのか注目
したい。
【相場予想レンジ】
 5月19〜23日のJPXゴムRSS3号10月限の中心レンジ予想は300〜33
0円。テクニカルの支持線は310.0円(節目)、抵抗線は320.5円(5月15
日高値)。
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