NY時間の午後に入って、ドル円は145円ちょうど付近で落ち着いている。本日はムーディーズが先週末に米国の格付けを「Aaa」から「Aa1」に引き下げたことでドル安が優勢となり、ドル円も一時144.65円付近まで値を落としていた。 今週はG7財務相・中央銀行総裁会議がカナダで開催され、その際に日米財務相会談が開かれ、為替の協議が行われる可能性があると見られている。そのような中、ヘッジファンドや長期志向の投資家は円高を見込むトレードを再開しているという。 先週は米国と韓国が今月初めの貿易協議の際に為替政策を議論したとのニュースを受けて、円を含むアジア通貨が上昇場面が見られていた。その際、ヘッジファンドや長期投資家による円ロング形成の動きが見られ、本邦勢も円高への思惑で円買いが復活化していたという。 先週末に公表された米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉データによると、13日までの1週間でレバレッジ・ファンドの円ロングのポジションは差し引き2万4741枚と、2019年9月以来の規模となった。その週のドル円は12日に一時148円65銭と5週間ぶりの高値を記録したいたが、一部のファンドにとっては魅力的な円ロング形成の好機になったようだという。148円超えは新たにドル安・円高のポジションを取る魅力が増したようだとの見方も出ている。 一方、円高になれば価値が上昇するオプション取引への関心が高まっているとの指摘も出ており、ボラティリティーが低下局面では、円高を狙った取引が活発に出ていたという。ドル円のオプション市場では弱気ポジションが増加し、上昇リスクに比べて下落リスクをヘッジするコストが上昇している。 USD/JPY 145.10 EUR/JPY 162.89 GBP/JPY 193.71 AUD/JPY 93.67 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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