株価指数先物【引け後】 為替協議を無難に通過するかを見極め

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限
日経225先物 37260 -270 (-0.71%)
TOPIX先物 2730.5 -7.0 (-0.25%)

 日経225先物(6月限)は前日比270円安の3万7260円で取引を終了。寄り付きは3万7600円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7620円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、現物の寄り付き直後につけた3万7670円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万7430円まで下げ幅を広げた。中盤以降は3万7430円~3万7510円辺りで保ち合いを継続。後場中盤にレンジを割り込むと、終盤にかけて下落幅を広げ、3万7260円と本日の安値で終えた。

 G7財務相・中央銀行総裁会議に合わせて行われる日米の為替協議や3回目の日米関税協議の行方に注目が集まるなか、為替市場では円相場が一時1ドル=143円台と円高に振れて推移していることが重荷になった。イスラエルがイランの核施設への攻撃を準備していると米メディアが報じたことも投資家心理を神経質にさせたのだろう。

 さらに、半導体製品メーカーのウルフスピードが今後数週間以内に破産申請を進めていると報じられ、時間外取引で60%を超える急落となった。アドバンテスト<6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への売りにつながったことも、ショートを仕掛けやすくさせたとみられる。

 ただし、グローベックスの米株先物は弱含みで推移しているものの、ナスダック100先物は0.5%ほどの下げにとどまっている。ウルフスピードについては2021年11月にピークをつけた後は、長期的な下落基調が続いていたこともあり、ヘッジを強める形でプット買いが積み上がっていたとみられ、予想されていた面はあったと考えられる。そのため、改めてショートを仕掛けてくる動きは限られるだろう。

 日経225先物は200日移動平均線(3万7520円)やボリンジャーバンドの+1σ(3万7600円)に上値を抑えられる形となった。日米の為替協議を受けた円相場の影響を受けやすい状況であるが、米国側から円安是正を求められるとの思惑で先回り的な動きが入ったとみられ、協議を無難に通過するようだと、リバランスが入りやすい。

 200日線や+1σを早い段階でクリアできないと、目先的には75日線(3万6790円)辺りが意識されてくる可能性があり、日米の為替協議や通商協議の内容を見極めたいところだろう。

 NT倍率は先物中心限月で13.64倍に低下。一時13.63倍まで下げる場面もみられ、25日線(13.64倍)を下回ってきた。米ハイテク株の動向次第の面はあるが、同線が支持線として意識されやすいく、いったんはNTショートを巻き戻す動きが入るタイミングになる可能性はありそうだ。

 手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万0743枚、ソシエテジェネラル証券が8445枚、サスケハナ・ホンコンが2743枚、野村証券が1459枚、JPモルガン証券が1430枚、バークレイズ証券が992枚、モルガンMUFG証券が936枚、日産証券が933枚、みずほ証券が671枚、SBI証券が667枚だった。

 TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5233枚、ソシエテジェネラル証券が1万3582枚、JPモルガン証券が4570枚、バークレイズ証券が3272枚、モルガンMUFG証券が2745枚、ゴールドマン証券が1953枚、みずほ証券が1832枚、シティグループ証券が1168枚、ビーオブエー証券が1015枚、サスケハナ・ホンコンが920枚だった。

株探ニュース

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