[今日の視点]貴金属=金は反落、イスラエルとイランが停戦合意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、金が反落して寄り付く見通し。金はイスラエルとイランの停戦を受けて売
り優勢となろう。銀は金軟調につれ安となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチ
ナが株高を受けて堅調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は2.32ドル高の
3355.68ドル、銀が31セント安の3574セント、プラチナが21.10ドル
高の1292.00ドル、パラジウムは13.00ドル高の1072.87ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=145.98/99円で、前営業日の
大引け時点から1.26円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万5900円前後、銀は166.0円前後、プラチナ
は5760円前後、パラジウムは4900円前後。
【金はイスラエルとイランの停戦合意が圧迫】
 金はきのうの海外市場は、中東情勢の緊張の高まりやドル安を受けて買い優勢となっ
た。
 金は中東情勢の緊張の高まりやドル安が支援要因になったが、イランの報復措置で死
傷者が出なかったことを受けて上げ一服となった。米軍がイランの核施設3カ所を空爆
したことでホルムズ海峡封鎖などイランの報復措置に対する懸念が出た。ただトランプ
米大統領は、イランがカタールの米軍基地にミサイルを発射する前に米国に事前通告を
行ったと述べ、これにより人命が失われることがなかったと表明した。また米大統領
は、イスラエルとイランが暫定的な停戦に合意したと発表した。原油が急落し、金に利
食い売りが出るとみられる。
 米連邦準備理事会(FRB)のボウマン副議長(金融監督担当)はインフレ圧力が抑
制されたままであれば、早ければ次回会合で利下げを支持したいという認識を示した。
6月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は52.8と、前月の53.0か
ら低下した。小幅な減速にとどまったものの、トランプ米大統領による包括的な関税導
入で物価はさらに上昇し、今年後半にインフレが高進する可能性が高いことを示唆し
た。
 銀はきのうの海外市場は、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
【プラチナは株高が支援】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。米連邦準備理事会(FRB)のボウ
マン副議長の利下げ発言を受けてドル安に振れた。イランの報復措置が限定的なものと
なり、中東の緊張緩和期待につながったことも支援要因である。また米大統領は、イス
ラエルとイランが暫定的な停戦に合意したと発表した。ただ原油が急落しており、利食
い売りも警戒される。
<今日の予定>
・独景況感指数 2025年6月(ifo)
・米経常収支 2025年1-3月期(商務省)
・米ケース・シラー住宅価格指数 2025年4月(S&P)
・米消費者信頼感指数 2025年6月(カンファレンスボード)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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