きょうの為替市場、ドルが方向感ない値動きとなる中、ドル円も上下動している。東京時間には前日の流れを引き継いで147円台前半まで上昇したものの、海外市場に入って146円台に伸び悩み、146円台半ばまで下落している。ただ、前日突破した100日線の上の水準にあり、チャート的には底値を形成しそうな気配は堅持している状況。 トランプ大統領が強硬な関税方針を引き続き推進する考えを表明し、8月1日の交渉期限に追加の猶予措置は行わないと強調。また、輸入される銅製品に対して50%の関税を課す方針を示し、製薬企業に対しては、1年以内に米国内に生産を移さなければ最大200%の関税を課すとも警告している。 引き続き市場は関税のニュースに神経質になる中、為替市場ではドルが買い戻されている。関税の影響が米インフレを再上昇させ、FRBの利下げ期待を抑制すると見ているようだ。オプション市場でもドルは過去2週間で最も強気な水準で取引されている。 ストラテジストは「関税関連のニュースが短期的にドルの支援材料になる可能性がある一方、不確実性の高まりや、企業・消費者が直面する輸入コスト上昇に起因する米成長減速、雇用悪化、金利低下見通し、米国への資本流入減少といった要因により、中期的にはドルは着実に弱含む」と述べている。 なお、本日は日本時間10日午前3時に6月分のFOMC議事録が公表予定。投資家はFRBが金融政策をどのように考えているかについてヒントを欲しがっている中、注目のイベントとなる。同FOMCで公表された理事の金利見通し(ドット・プロット)は、中央値は今年残りの期間で2回の利下げを示唆していたが、理事の見解は二分しており、年内据え置きを予想する少数派が増えていることも示されていた。 日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。 9日(水) 現行付近にはなし MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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