ドル円は米中協議や米国債利回りの下げ止まりを確認したい雰囲気=NY為替

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 ドル円は108円台半ばでの推移。NY時間に入っても様子見気分が広がっており、狭い範囲での値動きに終始している。市場では米中貿易協議を巡って楽観と悲観とが行き来する中、ドル円もニュースに敏感に反応している。

 米議会が上下両院で香港人権法案をほぼ全会一致で可決した。トランプ大統領も署名する意向とも伝わっており、法案は成立する運びとなっている。人権問題に踏み込んで来た米国に対し、中国側の反応が警戒されたが、苦言は述べているものの、意外に落ち着いた反応を見せている。

 ドル円も東京時間に朝方に108円台前半に下落していたが、買い戻しも入り108円台半ばに戻す展開。香港のサウス・チャイナ・モーニングポストが、米中が第1段階の合意に達しなくても、12月15日に米国が予定している中国製品への追加関税の発動は、少なくとも延期される公算が大きいと伝えた。交渉で大きな成果が出る可能性は低いが、関税延期は両国の利益にかなうという。また、中国の劉鶴副首相の発言などもあり、ドル円はサポートされている。

 ただ、上値は依然として重い印象で、本日108.75円付近に来ている21日線は上値抵抗となっている模様。きょうは米国債利回りの下げが一服しているが、今度は米株が利益確定売りに押されておりドル円を圧迫しているようだ。

 ドル円は本日を含めて、先週から3度108円台前半に落とされているが、いずれもサポートされている。下値では押し目買いも入り上値期待を温存させているものの、109円ちょうど付近に来ている200日線を再度試す気配はない。米中協議の行方や米国債利回りの下げ止まりを確認したい雰囲気が強まっており、踊り場にいるようだ。

USD/JPY 108.57

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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