[今日の視点]貴金属=金が反発、NY高を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、金が反発して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク高を受けて買い優勢
となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナが金堅調につれ高となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は9.15ドル高の
3328.20ドル、銀が7セント高の3818セント、プラチナが3.80ドル安の
1389.00ドル、パラジウムは23.47ドル高の1252.07ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=148.47/49円で、前営業日の
大引け時点から0.12円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が1万6020円前後、銀は178.5円前後、プラチナ
は6120円前後、パラジウムは5900円前後。
【NY金は原油高や米国債の利回り低下が支援】
 金はきのうの海外市場は、原油高や米国債の利回り低下を受けて買い優勢となった。
 金は原油高や米国債の利回り低下が支援要因になった。原油はトランプ米大統領がロ
シアに対する追加制裁の発動期限を前倒ししたことが支援要因になった。米大統領は期
限短縮について、ロシアから反応は聞いていないとした上で、ロシアに対する制裁が原
油市場や価格に及ぼす潜在的な影響については懸念しておらず、いかなる影響をも相殺
するために米国は国内の原油生産を増やすと言明した。また米債券市場では、7年債入
札が予想外に堅調だったことや、6月の求人件数が労働市場の一部軟化を示唆したこと
を受けて利回りが低下した。6月の米雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数
は743万7000件と、前月から27万5000件減少した。求人と採用は宿泊・飲
食サービス業で特に減少しており、米国の労働市場が一段と減速している可能性が示さ
れた。市場予想は750万件だった。一方、7月の米消費者信頼感指数は97.2と、
前月の95.2(上方改定)から2.0ポイント上昇した。ただ雇用機会に対する見方
は約4年半ぶりの低水準となり、米国の労働市場が減速している可能性が改めて示され
た。市場予想は95.0。
 スターマー英首相は、飢餓が深刻化しているパレスチナ自治区ガザの状況についてイ
スラエルが対応しなければ、9月の国連総会でパレスチナを国家として承認する用意が
あると表明した。
 銀はきのうの海外市場は、ドル高に上値を抑えられたが、金堅調につれ高となった。
【プラチナはドル高に上値を抑えられる】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル高に上値を抑えられたが、金堅調が下支えに
なった。
 プラチナはドル高に上値を抑えられた。米国と各国の関税合意を受けてドル高に振れ
た。米中は、スウェーデン・ストックホルムでの関税に関する閣僚協議を終えた。中国
の通商交渉官を務める李成剛氏によると、「突破口」は見いだせなかったものの、両国
が5月中旬に合意した90日間の関税と輸出規制の一時停止措置を延長することで合意
した。ただ金堅調が下支えになった。金は原油高や米国債の利回り低下が支援要因にな
った。
 国際通貨基金(IMF)は最新の「世界経済見通し」で、2025年と26年の世界
経済成長率予測を若干上方修正した。8月1日の米関税発動期限を前に、予想を上回る
購入が見られたことや、米国の実効関税率が24.4%から17.3%に低下したこと
を反映した。
<今日の予定>
・金融政策決定会合(日本銀行)1日目
・ユーロ圏国内総生産 2025年4-6月期速報(EUROSTAT)
・全米雇用報告 2025年7月(ADP)
・米国内総生産 2025年4-6月期速報値(商務省)
・米中古住宅販売仮契約指数 2025年6月(全米不動産協会)
・米FOMC声明文公表(FRB)
・政策金利発表(カナダ銀行)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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